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Broken Chanter – “A Year Without A Summer”

Broken Chanterの待望のニューアルバム『This Could be Us, You, Or Anybody Else』から、第2弾シングル「A Year Without A Summer」が公開されました。政治的な色彩の強いアルバムの中で、この曲は感情の核心を突くパーソナルな例外となっており、哀愁漂うシンセのリフレインと、スナップショットのような美しい歌詞が印象的です。悲しみが人生のあらゆる隙間に染み込んでいく様を、David MacGregorは鋭い洞察力で描き出しており、聴き手に自身の脆弱性をさらけ出しながらも、深い共感と連帯の手を差し伸べるような一曲に仕上がっています。

2024年のアルバム『Chorus Of Doubt』のツアー直後、2025年の夏から秋にかけて録音された本作は、バンドとしての結束がかつてないほど強固になっています。Martin Johnstonの力強いドラムとCharlotte Printerのしなやかなベースが土台を支え、MacGregorとBart Owlのギターがステレオフィールドを縦横無尽に駆け巡るワイドスクリーンな音像が特徴です。前作が拒絶の怒りに満ちていたのに対し、今作はディストピア的な未来を前にした激しい抵抗心を持ちつつも、コミュニティや人々の繋がりの中に救いを見出そうとする、より映画的なディテールと慈愛に満ちた作品となっています。