Zsela – Big For You

Zsela（ZHAY-la）は、芸術的な到着には時間がかかることを知っています。この野心的なアーティストは、デビュー・アルバム『Big For You』を発表。親しいコラボレーターであるDaniel Aged（Frank Ocean、Kelela）とGabe Wax（The War On Drugs、Soccer Mommy）と共にプロデュースされたZselaの初フル・アルバムは、壮大さと親密さの間を流れるような、内省に溢れた音像を構築。

2020年にリリースした5曲入りのEP『Ache of Victory』では、ニューヨーク・タイムズ紙が「エモーショナルでありながら捉えどころがなく、スローでありながらうねるような動きがあり、土俗的でありながら別世界のようでもある」と絶賛し、洞窟のような深みを持つシンガー・ソングライターとしての地位を確立。カーネギーホールやニューヨーク近代美術館（MoMA PS1）、ニューヨークとロサンゼルスの自然史博物館といったステージを飾ってきた彼女にとって、『Big For You』は飛躍的な作品。

このアルバムの10曲の制作を振り返って、彼女は最初のスケッチが最終的な形に進化するまでに数え切れないほどのバージョンを経てきたと説明。「このプロセスでは、曲のありたい姿の真実を見つけるために、常にオープンであることが重要でした。「それは、何度も何度も壊しては組み立て直し、尊大にならず、耳を傾けることを意味していました。これらの曲の真実に戻ることによって、Zselaは、より壮大なスケール感を呼び起こすために負の空間を使用して、そのコントラストで印象的な音の設定に到達しました。このネガティブ・スペースはまた、Zselaの声にスポットライトを当て、彼女の作曲の叙情的な重みを支える自信に満ちた存在感を示しています。

豊かなテクスチュアのトリートメントと不定形で心のこもったアレンジに満ちたBig For Youのダイナミクスと多様性は、Zselaがこれまで以上に広いパレットで絵を描いていることを証明するもの。アーティストの言葉を借りれば、この一連の曲の根底に流れているのは「傷心」。このアルバムのタイトルについて、Zselaは「その核心は、私たちが “あなたのことでいっぱい “であることと、”あなたのためにいっぱい “であることの間で演じる、因果的なダンスと意図的なダンス、つまり、私たちが愛のために取り、満たす空間の複雑さと大きさに触れているのです」と述べている。

Big For Youの中核をなすプロダクション・トリオに加え、Marc Ribot、Nick Hakim、Casey MQからJasper Marsalis (Slauson Malone 1)など、Zselaのコラボレーション・ファミリーのメンバーがカメオ出演。スタジオでの果てしない実験と重みのある主題の二面性がアルバム全体を貫き、遊び心溢れるプロダクションが歌詞の心の痛みと対照的。

アーティスト自身が “不確かさを温かい抱擁のように迎え入れようとしている “と例えているように。答えのない問いかけを恐れず、独自のグルーヴに落ち着いたサウンド・ストーリーテラーの作品。