Vastum – Inward To Gethsemane

Orificial Purgeから4年、そしてパンデミックから1年、20 Buck Spinの中で最も長く活動しているバンド、Vastumが、精神的な倦怠感と失われた信念を綴った5枚目の衝撃的なドキュメント、「Inward To Gethsemane」を発表。これまで同様、ヴァスタム独自のアプローチで惜しげもなく表現された嫌悪感は、音楽を不穏な不安のオーラで覆い尽くしています。

Vastumのディスコグラフィーの中核をなしてきた洞窟のような密度は、相変わらず非人間的で、ダークな雰囲気を漂わせながらも、決してアンビエント的な濁りには堕ちず、それどころか、常に懲罰的で、恐るべき勢いをもっています。Daniel Butler（ダニエル・バトラー）とLeila Abdul-Rauf（レイラ・アブドゥル・ラウフ）の二人のヴォーカルは、「Inward…」を通して、ヴァスタムの地獄のような地下世界の語り手として登場。アルバムのクローズである8分の「Corpus Fractum」は、ヴァスタムの音楽的にもヴォーカル的にも変幻自在で実験的な一面を示しながら、5枚のアルバムを通してバンドが尊敬されている特徴的な無慈悲なパワーを持続しています。

散発的ではあるが伝説的なライヴ・パフォーマンスと、現代の真のデス・メタルとして崇拝されるディスコグラフィーの間で、ヴァスタムは地元ベイエリアのみならず、広くアンダーグラウンドの陰惨でグロテスクな聖火ランナーとなりました。Inward to Gethsemane」は、ヴァスタムの逸脱のトーテムに新たなノッチを刻みます。