Tender Crust – Convexity

Full Spectrumのハウス・バンド、Tender Crustの最新作「Convexity」がリリースされました。

バンドメンバーであるGretchen Korsmo、Carl Ritger、Andrew Weathersに加え、バスクラリネット奏者のRebecca Hubsherを加えたカルテット編成となったこのグループは、コロラド州北部の遥か彼方まで足を運び、RangelyにあるTank Center for Sonic Artsの別世界のような音響でレコーディングを行いました。ユタ州との州境に近い、人里離れた石油の町のはずれに位置するタンクは、そのユニークな音響特性のおかげで、何十年もの間、貴重なレコーディング場所として知られてきました。

1940年代に鉄道の水処理施設として建設された7階建ての鋼鉄製水槽は、60年代半ばに地元の電力会社が使用するためにランゲリーに移設されました。しかし、タンクが置かれていた下層の頁岩（けつがん）が、タンクを満たしたときに構造物の重量を支えきれないことが判明したため、使用されることはありませんでした。この地盤がタンクの床をなだらかな放物線状に湾曲させたため、タンク内部は驚異的な音響共鳴を起こし、最大40秒間の豊かな残響を発生させることができました。何十年もの間、サウンド・アーティストたちによって密かに使用されてきたタンクは、その壮大さを正確にとらえるため、適切なレコーディング・セットアップが施されました。

砂漠の夏の暑さの中でレコーディングされた「Convexity」は、レコーディング・セッションのロジスティクス的な要素が、パフォーマーに物理的な制約を課したもの。ラフなトーンと散らばったテクスチャーが、異質な空間の響きの中で混ざり合い、変容していきます。