Saint Abdullah & Jason Nazary – Looking Through Us

発振するエレクトロニクス、スーフィーの聖歌、そして空のドラム缶の中で爆竹のように鳴り響くドラム。

このアルバムは ‘Evicted In The Morning’ （2月リリース）と対になる作品だが、前回のコラボレーションが「清冽なシンセの探求とスキッターのようなリズムの伴奏」（ガーディアン紙）、あるいは「水晶に光を投げかけるような」（エレクトロニック・サウンド誌）だったのに対し、’Looking Through Us’ は前回のサウンドを反転させたものである。この豪華なトラック・タイトルは、その中にある音楽をある程度感じさせてくれる： “Claustrociety”、”Lo-Tech Mystic”、”Dimension Disintegration”。曲目の “Amoo Sam” では、Patrick Shiroishiのサックスがゲスト参加している。トリップ感たっぷりのライブ・パフォーマンス・ビデオ（どちらのリリースにも収録されていない）を伴って登場したこの作品は、最初から最後まで、彼らの次なる可能性が無限に広がる、完全なるヘッド・シュレッダーだ。

Saint Abdullahは、テヘラン生まれのMohammadとMehdi Mehrabani-Yeganehの兄弟で構成され、EomacやModel Homeとのコラボレーションを含め、これまでのリリースで多様なサウンドのパレットを探求してきた。彼らはこれまでに、Other People、Important、Room40、Planet Muなどのレーベルから音楽をリリースしている。

Jason Nazaryはアトランタ出身でブルックリンを拠点に活動するドラマー兼作曲家。自身のソロ活動だけでなく、シンガーのEmilie Weibelとのディストピアン・エレクトロ・ノイズ・デュオ「Clebs」や、近年はJaimie Branchとの即興モジュラー・ビート・シュレッダー・デュオ「Anteloper（International Anthem）」など、数多くのアンサンブルを共同主宰している。