Saåad – A Crimson Shore

‘A Crimson Shore’は、2018年の’Présence Absente’以来となる Saåad のスタジオ・アルバムである。その間、トゥールーズを拠点とする作曲家兼プロデューサーのRomain Barbotは、複数のコラボレーション、サウンドトラックや委嘱作品の作曲、バンドFOUDRE！やSables Noirsへの参加を通じて、アーティストとしての経験を豊かにしてきた。

このフランス人のディスコグラフィーの新章は、この芸術的成熟を反映しており、プロジェクトの最高傑作のアンビエント録音を呼び起こすと同時に、新たな、フィルターを通さない、決定的な個性を明らかにしている。ループ、バイブレーション、ドローンのサイクルで構成されたトラックは、まるで存在の苦悩のように互いに呼応し、対峙し、カタルシスという最も純粋な機能へと還元された陰鬱な音楽の黄昏と、新たな光り輝く物語の旅の夜明けの間で引き裂かれる。

‘A Crimson Shore’は生々しく、すべてを包み込むようなアルバムであり、死への恐怖、老いていくこと、それを受け入れること、悲嘆（過去、現在、想像、未来）、そして超越的な避難所の探求が貫かれている。