Robin Saville – Lore

ARTIST :
TITLE : Lore
LABEL :
RELEASE : 6/23/2023
GENRE : ,
LOCATION : London, UK

TRACKLISTING :
1.Judith Avenue
2.Beltane
3.Tapetum
4.Theberton Public Road No1
5.Fallow
6.Belfry

影響力のあるデュオ、ISANの片割れである(ロビン・サヴィル)が、4枚目のソロアルバム『Lore』を携えてに戻ってきた。ここ何年もの間、ロビン・サヴィルは「見て、聴く」ことをモットーに定期的に環境探索を続けている。彼の創作活動の重要なインスピレーション源でもある。音、匂い、色、そして土の性質までもが、その体験をさらに豊かなものにしてくれる。サヴィルはマイクと録音機を装備して散歩を記録し、その録音を作曲のベースにしている。「アルバムに収録されたフィールド・レコーディングは、明らかな理由から、今回は非常に地元で行われた」と彼は言う。英国イースト・アングリアの音風景へようこそ。

オープニング・トラックの “Judith Avenue “は、サヴィルが自然の音に対する視点をどのように進化させたかを示す好例だ: “そこは住宅街で、低木が生い茂る野生の風景へと消えていく。そこで、夕暮れのナイチンゲールの声を録音したんだ。とてもロマンチックな鳥だ!オスはメスより2、3週間早くアフリカから飛んでくる。彼らは良い縄張りを見つけ、夕暮れ時、他の鳥たちが静まり返ったころに鳴き始め、渡りの飛行ルートからメスを誘惑する。これは何千年も続いてきたことだ。しかし、私が録音した場所は開発が予定されており、このようなことは二度と起こらないだろう。だから、録音はその場所の歴史、言い伝えの一部になるんだ」。

自然の音を録音し、それを電子的な魔術で豊かにするサヴィルは、記録保存主義者であるだけでなく、これらの録音を意味のある音楽のミニチュアに変換する。前作『Build A Diorama』を象徴するサウンドスケープをベースにした『Lore』は、開放的なメランコリーと、よりアップビートなリズムの両方で支配されている。しかし、音楽が風変わりでルーズに聞こえても、そこには常に深い意味がある。このアルバムの特徴は、生活空間の脅威的な喪失に対する常に存在する憂鬱と、その美しさへの賛美である。この同時性が、楽曲を人間の居住環境についての実存的な瞑想へと変えている。サヴィルは、私たちがしばしば無視しがちな問題に取り組むことで、私たちの生活を音楽的に豊かにしてくれる。同時に、彼は希望と変革の代理人となる。光と闇の間を行き来する『Lore』は、私たちが今日立っている場所を示す音楽的寓話である。

「このアルバムは場所と時代の記録であり、確かにそれらを祝うものではあるが、同時に私たちが失いつつあるものの記録でもある。貴重で素晴らしいものでありながら、根底には人類と自然との破壊的な関係に対する悲しみがある」