ARTIST : Penny Arcade
TITLE : Backwater Collage
LABEL : Tapete Records
RELEASE : 5/3/2024
GENRE : indiepop, indierock
LOCATION : London, UK
TRACKLISTING :
1.Jona
2.Don’t Cry No Tears
3.Want You Around
4.Dear John
5.Prodigal Son
6.When The Feeling Is Gone
7.Black Cloud
8.Mr. Softie
9.Dennis
10.Garage Instrumental
11.One More
古代の船乗りたちの秘密の入り江や、風雨に打ちのめされた広大なムーアから生まれた『Backwater Collage』は、James HoareのPenny Arcade名義での初ソロアルバムである。
ロンドンを離れ、生まれ育った西カントリーに戻ったとはいえ、このイギリス人はこのシーンを知らないわけではない。彼は以前から、長く穏やかではない眠りから覚めたかのように彷徨っていた。『Veronica Falls』、『The Proper Ornaments』、『Ultimate Painting』などのプロジェクトで、彼の洗礼された青い瞳を何度か目にしたことがあるだろう。
この夢のような手縫いのレコードのために、ホアは時間をかけた。壊れたマルチトラック、故障したテープ・マシン、首都に住んでいてめったに手に入らないドラマーなど、数々の災難に見舞われたレコーディング・セッションから曲を救い出さなければならなかったからかもしれない。このアルバムを構成する11曲の親密で孤独な曲は、最高のホーム・レコーディングの伝統に則って作られているが、それにもかかわらず慎重に制作されている。ジェイムズは、彼の穏やかでメランコリックな歌声とNathalia Brunoの滑らかで温かみのあるボーカルが混ざり合う、純粋ですっきりとしたメロディーを展開する。かろうじて飽和感のあるギター・ソロが、クリアで洗練されていない音楽ラインを時々乱す。長年の友人であるMax Clapsがキーボード・パートを加えており、涙を誘うようなペーソスを防ぎつつ、楽曲のミニマムなノスタルジアをなんとか受け入れている。Jack NameやSyd Barrettに似ているが、サイケデリックでないだけで、曲作りや剥き出しの雰囲気という点では、Hoareはヴェルヴェット・アンダーグラウンドの白黒のソファに座っているようなもので、彼のアルバムにサブタレーニアンな雰囲気を与えている。時に落ち着きを欠きながらも軽やかで、不必要なエフェクトを一切排除したこのアルバムは、ノイズは少ないが生々しく飾り気のないJesus and Mary Chainの流れを汲んでいる。
『Backwater Collage』では、荒れ狂う空の下、たった一人で舵を取り、James Hoareはリスナーを一杯の紅茶を飲む心地よさに誘う。