Lost Girls – Selvutsletter

ARTIST :
TITLE : Selvutsletter
LABEL :
RELEASE : 10/20/2023
GENRE : , ,
LOCATION : Oslo, Norway

TRACKLISTING :
1.Timed Intervals
2.With the Other Hand
3.Ruins
4.Re-entering the City
5.World on Fire
6.Jeg Slutter Meg Selv
7.June 1996
8.Sea White

‘Selvutsletter’ は、Pitchfork、The FADER、Brooklyn Vegan、Paste、FLOOD等から年間ベスト・リリースのひとつに選ばれた、2021年のデビュー・アルバム ‘Menneskekollektivet’ 以来となるの新作である。

‘Menneskekollektivet’ がクラブ・ビートを探求し、構造を拡大し試していたのに対し、’Selvutsletter’ は体験の中に消えていくことをテーマにしている。Lost Girlsの前作にあった直感的な深夜の感覚と、実験的なロック・ミュージックをその対象として融合させている。前作同様、アルバム・タイトルはノルウェー語の造語で、ほとんど存在する言葉だ。バンド独自の ‘Selvutsletter’ の訳は「自己消去者」: 自分自身を消そうとする人。自分自身を掃除する人。悪魔払いをする人。あるいは、ただ年を取り、現在の自分に興味がなくなっているのかもしれない。

ヒプノティックなリード・シングル “Ruins” に続く “With the Other Hand” は、Jenny Hvalの高らかなヴォーカルに導かれ、推進力のあるビートときらめくギターで疾走する。Leonard Cohenにインスパイアされた “With the Other Hand” は、Håvard Voldenが書いたギター・ラインから始まり、Hvalに渡され、彼はコードを認識できないほどアレンジし始めた。「その結果、ヴァースとコーラスという構成になり、ストリート、ビル、ステージを巡る誰かの不思議な旅についてささやくポップ・ソングになった」とバンドは言う。コーラスはこうだ:「もう片方の手で僕は部屋を開ける/最初の手で僕は書く」これは、何かの2つの部分、つまり創作のプロセスや無意識の2つの部分を描写している。あるいは、2つの手はLost Girls自身を表しているのかもしれない。一人は部屋を開け、もう一人は書く」。

Lost Girlsのコラボレーションは10年以上前にさかのぼり、VoldenはHvalのライブ・バンドで定期的に演奏し、2012年にはデュオのアコースティック・コラボレーション・アルバム(Nude on Sand名義)を発表している。2022年、デュオはリヨンのLes Subsistancesでコンサートを行うことになり、この機会に新曲を制作することにした。Voldenがビートと荒々しいギターのコードを作り、Hvalがパートを再構築し、メロディーと言葉を作り、さらに音を加えるという二人三脚の作業は、より短く、簡潔でメロディアスな曲という未知の領域へとスパイラルしていった。

‘Selvutsletter’ の素材が発展するにつれ、コード、ギターの音、リズムの中にすでに埋め込まれていた言葉が踊り始めた。歌詞はすぐに形になり始め、その題材は日没後の街、音楽の儀式、90年代のバンドの練習、インターネットの黎明期などに及んだ。これらは、Hval自身の故郷の思い出であり、故郷を捨て去り、あるいは故郷に火をつける方法として音楽を創作することへの執着であった。Selvutsletter』は、その意味で、HvalとVoldenの歩みを、音楽を発見したときの感覚、何かを創り出すという強烈に肉体的で共同的な体験へと遡らせることをテーマにしている。