James Elkington and Nathan Salsburg – All Gist

ARTIST : James Elkington and
TITLE : All Gist
LABEL :
RELEASE : 4/12/2024
GENRE : , ,
LOCATION : Louisville, Kentucky

TRACKLISTING :
1.Death Wishes To Kill
2.Long In The Tooth Again
3.Numb Limbs
4.Nicest Distinction
5.Well, Well, Cornelius
6.Explanation Point
7.Fears Of This Nature
8.Rule Bretagne
9.All Gist Could Be Yours
10.Buffalo Stance

このデュオの3作目となるギター・インストゥルメンタル・アルバムは、豪華なコラボレーターに支えられながら、彼らのしなやかなコンポジションを迷宮のような新たな形へと押し進め、交錯させ、相互接続させています。目もくらむようなオリジナル曲の中には、伝統的なブルトン・ダンス曲からネネ・チェリーの「Buffalo Stance」の解体まで、魅力的なカバー曲の数々が織り込まれています。

アルバムの物語

JamesElkington(ジェームス・エルキントン)と(ネイサン・サルスバーグ)は最近お揃いのスーツを手に入れました。葬式には薄すぎるが、結婚式にはいい。彼らはこのスーツを着て、ジェイムズとネイサンのギター・デュエット・アルバムとしては3作目、2014年の『Ambsace』に続いて2作目となる『』のために写真を撮ろうと漠然と考えていたのですが、時間と場所が彼らの味方になってくれることはほとんどありません。彼らの善意と、音楽を演奏したり一緒にいることへの純粋な好意にもかかわらず、彼らは音楽を演奏したり一緒にいる機会はめったになく、写真撮影は現実的な優先事項のリストのはるか下に押しやられています。

それなのに『All Gist』が作られたことは、小さな驚きです。初冬と晩冬の2回に分けて3日間、シカゴで制作されたことは、ジェームスとネイサンのプロジェクトに対する熱意の証。前2作のデュオ・アルバムでもそうだったように、それぞれが様々な長さの断片をテーブル(文字通り、ジェイムズと彼の家族のキッチンテーブル)に持ち寄り、様々な熱狂の中で曲を作り上げていったのです。Numb Limbs」のように、数時間かけてじっくりと作り上げたものもあれば、「Numb Limbs」というタイトルのように、ジェームスが作り上げた節くれだった建物の周りに、ネイサンが共感できるデザインを彫り込んだものも。他の作品では、「Death Wishes to Kill「(2人が最近読んで気に入ったT.F.パウイスの小説から引用)のように、悲鳴とうめき声と爆笑に満ちた40分間で、熱のこもった形が出来上がりました。コーヒーが飲める時間帯は限界に達し、さらにその限界を超えて、ビールが飲める時間帯に突入。

『Ambsace』と同様、『All Gist』のジャケットは、エルキントンとサルスバーグの興味の対象がベン図状に描かれています。一方はイギリスの作曲家ハワード・スケンプトンの素晴らしい「Well, Well, Cornelius」(1999年)を忠実にアレンジしたもの、もう一方はブレトンの伝統的なダンス・チューン2曲のコンポジット(カナダ、アイルランド、ブレトンの音源をつなぎ合わせたもの); この曲は、ジェームスとネイサンを除けば、誰も2本のアコースティック・ギターのために作られるとは少しも思わなかっただろうし、作られるべきとも思わなかったでしょう。しかしそれは、彼らが丹念に解体した原曲に対する繊細さと喜び、そして心からの敬愛を込めて。

「Numb Limbs」、「Long in the Tooth Again」、「Fears of This Nature」でのギターは、時折乱暴に扱われることがあるにせよ、よくできた時計の動きのように互いを支え、支え合う。ジェイムズとネイサンのレコードを聴いたことのあるリスナーにはおなじみの豪華なプレイヤーたち。前述した「Death Wishes to Kill」では、再登場となるWanees Zarourの熱烈なソロが聴ける。3部構成のバラード「Nicest Distinction」は、Pigeonsのバンド・メンバーでありソロの探検家でもあるWednesday Knudsenによる幽玄な木管楽器で飾られ、「Explanation Point」と(ほぼ)タイトル曲の「All Gist Could Be Yours」は、ストリングスのJean CookとブラスのAnna Jacobsonによるライヒのようなレイヤーでデュオのパレットに華を添えています。

もしこのデュオが、中欧のどこかの国にある政府出資の芸術保護区にある小さなオーケストラのエンジンだったら……