ARTIST : Jack Sheen
TITLE : Solo for Cello
LABEL : The Trilogy Tapes
RELEASE : 7/6/2023
GENRE : ambient, experimental
LOCATION : Manchester, UK
TRACKLISTING :
1.One
2.Two
3.Three
4.Four
5.Five
6.Six
7.Seven
8.Eight
9.Nine
10.Ten
11.Eleven
12.Twelve
このCDは、John Cage、Morton Feldman、Jim O’Rourkeなどのレコーディングで知られるApartment Houseのディレクターであり、チェリストであるAnton Lukoszeviezeのために書かれた35分の作品である。
作品中、チェロは微分音で再調律され、重金属のミュートで準備され、楽器の自然な響きを減衰させることで音を薄くしている。曲の大部分はハーモニクスで演奏されるが、これはチェリストが指で弦に軽く触れるだけの奏法で、通常この楽器に関連する豊かな音色を出すのに必要な圧力はかけない。その結果、音は空洞で不安定だが、明るく輝く。同様に、弓は伝統的なチェロの奏法を避け、弓の毛が弦の上を囁くような空気のような音を引き出すために、極端に、そして異常に繊細なタッチで振られる。
ディープリスニングからアンビエント、ドローンに至るまで、ゆったりとした動きと長尺の音楽が特徴だが、『Solo for Cello』は、こうしたゆったりとした型に、ハイパーでヴィルトゥオーゾ的な容赦ない音楽を詰め込んでいる。機械的な反復は避けられ、不完全な反復が好まれ、時には限界近くまで引き伸ばされた短気な悲歌によって中断される。
エレクトロニクスは、チェロの素材にジェスチャー的な対位法を提供するのではなく、その激しい運動的な活動の背景となる洗浄を提供する。さまざまな色合いのノイズや重く処理されたフィールド・レコーディングが、さまざまな壊れやすい音のブロックで組み合わされ、突然、楽器を一連の異なる環境に置くように、アコースティック・サウンドの知覚を微妙に変化させる。
17 世紀のマラン・マレのヴィオール組曲から、Mark Fellのシステマティックなリズムの痙攣、そしてEliane Radiqueの晴れやかで伸びやかな旅まで、強烈だが催眠術のような聴きごたえがある。