Heith – The Liars Tell​.​.​. EP

ARTIST :
TITLE : The Liars Tell​.​.​. EP
LABEL :
RELEASE : 5/10/2024
GENRE : , ,
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TRACKLISTING :
1.‘’*e
2.INVERTED VERTIGO
3.medicine boy
4.The circus lodge (Orchestroll Version)

のデビュー・アルバム『X,wheel』は、長い旅の始まりであり、意識と精神の曲がりくねった探求の始まりでした。一方、『The Liars Tell…』は、一種の休息、瞑想のひととき、次元移動の疲れからの小休止のような感じ。旅人が馬車を降り、岐路に戸惑いながら立ち、遠い場所の響きに耳を傾けるように。リミナルな空間を占拠し、千差万別の矛盾した物語をひとつの底知れぬ歌の歌詞にするように。

このEPが歌声に重点を置いているのは、それ自体が何気ないことではなく、言語と言葉に関する研究の焦点なのです。人間の声は最も壊れやすい楽器として扱われ、テクノロジーに助けられ物質化する妖しい存在。Heithの加工された歌声の音色の曖昧な美しさは、神聖な霊感の内在的な知恵を模倣すると同時に、大ざっぱなトリックスターに属しています。神の嘘つきが夢遊病者の耳に囁きかけ、危険な知識の誘惑を煽るのです。

“e”の核となる繊細なシャンティは、光り輝くシンセの砂漠からアルペジオ楽器のカスケード、そして最後にはパーカッションとノイズの噴出まで、催眠術のような警戒感を失うことなくゆっくりと進行。”INVERTED VERTIGO”のゆっくりと立ち上がるコード、長く続くささやき声、嘆くようなフルートは、静的な充足状態から切り離そうと震える魂のように感じられ、その結末の抽象的な騒動に飛び込もうと熱を帯びています。同様に、”medicine boy”のミニマルで伸びやかなメロディーは、ヴォーカルに断片化と増殖を交互に繰り返す空間を与え、やがて再びひとつの合唱の力へと合体し、最終的には壊れたギターの弦が放たれる空間へと導きます。クローザーの “The Circus Lodge (Orchestroll Version)”は、『X, Wheel』の “A Venus Flytrap In The Circus Lodge”の鏡のような回帰と補遺。

このように、『The Liars Tell…』は、2年間にわたる野心的なライヴ・パフォーマンスと、妥協を許さないクリエイティヴ・マインドの絶え間ない彷徨によって影響を受けた、Heithの進化の重要なポイントとなっているのです。