Glacis – Perseverance

ARTIST :
TITLE : Perseverance
LABEL :
RELEASE : 4/5/2024
GENRE : ,
LOCATION : Germany

TRACKLISTING :
1.I Shut My Eyes And The World Drops Dead
2.Under The Bare Sky
3.A Note Of Intimacy Seldom Heard By Day
4.When The Sun Goes Down
5.Locked In Crystal Caskets
6.Dusk Hides The Body
7.Passage
8.Sorrow Of Sorrow
9.Emptiness Is Form
10.Mourn The Dark

2015年12月、私は家族とともにスコティッシュ・ボーダーズに引っ越しました。ずっと都会で暮らしてきた私にとって、田舎暮らしは初めての経験でした。一本道を登ったところにある農場のコテージでの生活は、人里離れたものでした。正面の窓の外には古い農家があり、古風な労働者用コテージを見下ろしていました。裏の窓からは、静寂の音とともに果てしなく続く畑。それでも田舎が静かなことはありません。私たちの周りに存在する動物や植物が発する信じられないような音を、私たちは聞くことができないのです。
ボーダーズに引っ越して最初にしたことのひとつは、アップライトピアノを手に入れることでした。ダンディーの実家で暮らして以来、ピアノを手にしたことがなかったのです。オーバーストリングス。唯一の選択肢。調律が可能かどうか確認するのに時間がかかりました。美しい楽器でしたよ。外見はシンプルですが、前板を外すと内側のディテールが蛇革のようになっていて、調律師が「見たことがない」と言うほどでした。しかし、このピアノは古いため、コンサート・ピッチにチューニングすることができませんでした。そのため、チューニングは合っていても半音外れていて、他のミュージシャンと仕事をするときは、移調の必要性を常に説明しなければなりませんでした。それでも、このピアノは私のピアノであり、『Perseverance』と題された『Borders』の第1楽章のすべてを書いたのもこのピアノでした。
タイトルはオノ・ヨーコのもの。基本的には、春、夏、秋、冬を彼女流に表現したものです。無邪気、高揚、尊敬、忍耐。季節は、国境をテーマにした4楽章の作品を構成する論理的な方法として響きました。音楽自体も、それぞれの季節を意図的に反映したものであることは間違いありません。しかし、このレコードはそれ以上のことを探求しています。歴史、遺産、アイデンティティ、市民権についてです。この作品を書き始めた頃、ドナルド・トランプがホワイトハウスの本命候補となり、スコットランドはイギリスの他の地域からの独立を否定し、デイヴィッド・キャメロンはブレグジットという狂気の投票に同意しました。