fibril – the rot

ARTIST :
TITLE : the rot
LABEL : Records
RELEASE : 8/4/2023
GENRE : ,
LOCATION : Texas

TRACKLISTING :
1.vie
2.distracted parking lots
3.weigh the rot
4.exposed nerve
5.wet paper reserve
6.worms
7.wasted

Mari Maurice(More Eaze)のプロジェクトによる『THE ROT』は、Already Deadからデビューし、今年初めに Recordsから再発された。デビュー作と同じ90年代のオルタナティヴ・ロック、ニューメタル、ベッドルーム・ポップを基調としながらも、デジタル・ディケイやブラックニング・ノイズ、インダストリアルといったテクスチャーに大きく傾倒している。

セルフタイトルの『fibril』はソロ作で、当時マリが経験していた燃え尽き症候群の感情に焦点を当てたものだった。このプロジェクトが好評を博した後、彼女はそのアイデアをもとにバンドを結成しようとした。初期ラインアップが結成され、ライヴ活動を開始し、次の作品に取りかかろうとしたが、多くのことがそうであるように、パンデミックには別の計画があり、マリはレコードを何年も棚上げせざるを得なかった。

やがてマリはマシュー・サイデルと再会し、共同アレンジとミキシングで新曲の完成度を高めることに貢献した。Alton Jenkinsがドラムを担当し、その後Matt Hudsonもバンドに加わった。それから2年以上が経ち、フルバンドに拡大し、ライヴを行う計画が再開された。

腐敗や腐敗は、メタルやインダストリアルではよく知られた道だが、自然の力やバクテリアとして見られることがほとんどだ。Fibrilは、ミレニアル世代のインターネット世代にはなじみ深い腐敗を提示する。パンデミック後のアメリカは、未公開株、異常気象、食糧難で腐っている。私たちの記憶は、剥がれ落ちたCD-R、240pのビデオファイル、そして放置されたphpbbに貼り付いている。これらの曲の根底にある音や感情は、意図的に手の届かないところにあり、もう戻ってこない。これは失われた青春ではなく、腐った記憶なのだ。

ニューメタルとフェム・エモ・アンビエントを同じ屋根の下で再コンテクスト化し、感情のテコとしてダウン・チューニングのリフのパワーを取り戻した、痛々しいほど美しいレコードであり、爽快なロック・レコードでもある。