Dead Bandit – Memory Thirteen

ARTIST :
TITLE : Memory Thirteen
LABEL :
RELEASE : 2/9/2024
GENRE : , ,
LOCATION : Chicago, Illinois

TRACKLISTING :
1.Two Clocks
2.Memory Thirteen
3.Blackbird
4.Circus
5.Staircase
6.Peel Me An Orange
7.Quickscene
8.Somewhere To Wait
9.Revelstoke
10.Wabansia
11.Perfume
12.Blowing Kisses
13.Across The Road

デビュー作の荒涼とした美しさから3年、のセカンド・アルバムを発表します。過去の活動の亡霊がギターに取り憑いているのは相変わらずですが、この『Memory Thirteen』では、デュオの繊細に乱れたサザン・ゴシックが、前作とは異なるトーンで感じられます。

Dead BanditはEllis SwanとJames Schimplの2人組で、前者はシカゴ出身のソロ・シンガーソングライターで不気味な殺人バラードを得意とし、後者はカナダ出身のマルチ・インストゥルメンタリスト。彼らのインストゥルメンタル・コラボレーションは、話し言葉と同じくらい多くを語る、オープンで叙情的な質を持っており、このアルバムでは特にコントラストの力を取り入れています。

「Peel Me An Orange」は特にこの点で示唆に富んでおり、音の劣化とそれが映し出す鋭敏な絶望感への賛歌として吹き出すように始まり、軽快なテープ・ループのギターに身を委ねた後、ポスト・ロックの楽観主義が力強く炸裂。ポストロックというジャンルは、その凡庸な陽気さで注目されるものではないし、Dead Banditはドライブタイムのアンセムとしてフィーリング・グッドな曲を作りたいわけでもないのですが、エネルギーと内省の両極端を引っ張るような感覚は、SwanとSchimplが彼らの風雨にさらされたサウンドの感情の限界を試していることを示しています。「Blowing Kisses」の用心深くセンチメンタルなムードは、暗闇の中を鋭くドライブしている間に出会える、苦労して勝ち得た光を暗示するもの。

時にノイズは微妙な装置となり、スワンの明瞭なギター・トーンの下には不穏なベッドが迫り、またドラム・マシンのエッジにはひびが入るもの。「Memory Thirteen」では、ベースのディストーションが憔悴しきったワルツの中心人物となり、「Staircase」と「Perfume」では、ディレイ・フィードバックがリフのボディとなるまで、シグナルはウェットのまま。いずれにせよ、スワンとシンプルの交流が深まるにつれ、サウンドがそのままにされることはなく、それぞれの音の言語が曖昧になりながら、共有する語彙を増やし、深み、違い、献身的な歪みのあるアルバムを作り上げています。