Darien Shields – A​/​B

ARTIST :
TITLE : A​/​B
LABEL : Records
RELEASE : 6/9/2023
GENRE : , ,
LOCATION : Seattle

TRACKLISTING :
1.Alarm
2.Nice Smoulder
3.Pillow Princess
4.Fire Sale
5.Step To
6.Different Hours
7.Breaktime
8.Company man
9.Y Filter
10.Weak End
11.Perfect Reminder

Y2K熱と美学が文化を支配する前の1990年代の様々な年を祝う7枚のアルバムシリーズを終えたポートランド経由シアトルのプロデューサーが、新しい曲のコレクションを携えて戻ってきました。前作を特徴づけるサンプルを排除したこの新作『A/B』は、太平洋岸北西部特有の靄がかかったようなローファイ・ポップとベッドルーム・ソングを収録しています。

前作で彼がヴォーカルを乗せたヴェイパーウェイヴのトラックからインスピレーションを得たこれらのポケットチューンは、屋根裏部屋に隠されたシンセポップと催眠術の宝箱から掘り出されたような感じです。クラシックポップ(”Pillow Princess”)やレトロダンスミュージックをメロディックに参照しながら、このアルバムは、4トラックカセットに収められたチャーン・テクノ(”Fire Sale”)、ローファイハウス(”Step To”)、アンビエントIDM(”Y Filter”)を親密にアプローチしています。

このアルバムの粒状性は、Darien Shieldsがヴェイパーウェイヴやインターネット・ミュージック・シーンに参加していることを考えれば、驚くことではないが、このアルバムはヴェイパーな性格を持っている。しかし、最も近い比較対象は、Orchid Tapesに収録されているCasiotoneことOwen Ashworth for the Painfully Aloneや2010年代初期のベッドルーム・ポップ・ムーブメントのアーティストの作品かもしれませんね。家庭的な歌と楽器の探求は、芯まで削ぎ落とされ、暖かいテープヒスを浴びている。

Darien Shieldsは、90年代の象徴的なキャラクターであるセーラームーンを連想させる名前に至るまで、常に自分の作品に大きな物語を作り出すためにペルソナに傾いてきた。彼は、18 Carat Affair、Dreams West、Whitewoodsといった初期の催眠術やヴェイパーウェイヴのアーティストを思い起こさせるような、陳腐な真剣さで、物語、聴覚、メロディを出たり入ったりする。このアルバムは、Vaporwaveの代表作とは言えないかもしれないが、『A/B』は、今日のインターネット音楽シーンに浸透している光沢のあるテクノロジーを一切使わずに、エレクトロニック・ポップソングを作る親密でノスタルジックなプロセスを覗くことができる。