Daniel Bachman – When The Roses Come Again

ARTIST :
TITLE : When The Roses Come Again
LABEL : Three Lobed Recordings
RELEASE : 11/17/2023
GENRE : ,
LOCATION : Fredericksburg, Virginia

TRACKLISTING :
1.Neath The Shadow, Down The Meadow
2.Leaves Lying On Each Side
3.By The River, Flowers Shiver (Fading Dying In Their Pride)
4.Someone Straying, Long Delaying
5.Sad The Parting Down The Lane
6.I Must Leave You Someone’s Saying
7.Till The Roses Come Again
8.As I Wander, I Will Ponder (On A Happy By And By)
9.On A Summer Over Yonder (With Joy To You And I)
10.Sunshine Over Clover Blossom On The Meadow Wide
11.Summer’s Fingers Sweetly Linger (Everywhere On Every Side)
12.Someone’s Roaming In The Gloaming
13.Happy Hearts That Feel No Pain
14.All Their Sadness Turned To Gladness
15.Now The Roses Come Again

(デヴィッド・バックマン)の新しいアルバム “When the Roses Come Again”は、スティール・ストリングスの世界から抜け出し、新たな世界へと足を踏み入れたもの。

2023年の春、シェナンドー国立公園の境界線に寄り添う山小屋のラップトップでセルフ・レコーディングされた「When the Roses Come Again」は、1日8時間の即興演奏を1週間続けた中から抜粋され、作曲されたもの。バックマンはこの山小屋で大工の助手として働き、その場しのぎのスタジオとして借用。彼はその手際の良さを生かし、この創作のための道具として自分の楽器を再利用したり、作ったりしています。新しい音を求めて古いホンド・バンジョーのフレットをやすりで削り、教則本を読んでアパラチアン・マウス・ボウの作り方を学びました。フリーフォームのジャムをカット・アンド・ペーストして作曲し、自分自身と互いに共鳴し、つながる音やパッセージを選び、時にはスピードやピッチを変えたり。

しかし、このアルバムは土地を離れて生きることや、持続可能な孤独についてのアルバムではありません。バックマンは自身の音楽的DNAを掘り起こしたのです。アレガニー山脈のローレル・ハイランドに住んでいた彼の母方の家系には、文字通りの音楽的末裔であるホステトラー・ブラインド・ファミリー・バンドがいました。19世紀半ばに結成された弦楽合奏団で、全員が生まれつき盲目(生まれつき目がない者もいた)だったホステトラー一家は、コンサーティーナ、ヴァイオリン、チェロ、そしてパーカッションとして乾燥させたトウモロコシの実を使い、オリジナル曲と伝統曲の両方を演奏。バックマンは先祖伝来の過去を再現しようとはせず、携帯電話のオシレーターやドラム・アプリ、フィドル、バンジョー、ギターを駆使して独自の弦楽合奏曲を構成し、そのインスピレーションによって現代的な生命を吹き込んでいます。演奏、アレンジ、ミキシングは、Tyler Magill(Grand Banks/Carry)が演奏したハンドベルとハーモニウムのサンプルの一部を除き、すべてBachmanが担当。

コラージュの道具としてのテクノロジーと、私たち全員よりも古いアコースティック楽器を統合したバックマンは、Terry Riley、Laraaji、Enoの70年代後期のアンビエント・アルバム、75 Dollar Bill、そしてCarter Family、Stanley Brothers、Hobart Smithに通じるアルバムを制作。そして、この音楽は時に否定できない激しさを持ちながらも、聴く者を記憶と経験の別世界のモザイクの中に閉じ込めるのです。「このレコードで私が意図したのは、誕生から始まり、死、そして再生で終わる、すべての人生、輪廻、人生の車輪などを貫くスピリチュアルな機械を表現することでした」とバックマンは書いています。「四季を通して、また私が経験した強烈な個人的体験を通して、このプロセスが私たちの庭で動いているのが見えます。そして、このような世代間のつながりを探求することで、このような無形のサイクルの中にある自分自身の位置をよりよく理解したいと思っています。

この生命のサイクルは、音楽のテクスチャーやサウンドだけでなく、カーター・ファミリーの「When the Roses Come Again」の歌詞に由来する楽曲のタイトルにも表れています。音楽は軽やかに循環し、敬虔に歌い、ハミングしながら生まれ変わります。「When the Roses Come Again “は、単なる音楽的なライトモチーフのアルバムではなく、永遠の約束が亡くなった後にも長く咲き続ける、繰り返される個人的な、そして自然の歴史のアルバムなのです。