Another Michael – Wishes to Fulfill

ARTIST :
TITLE : Wishes to Fulfill
LABEL :
RELEASE : 9/22/2023
GENRE : ,
LOCATION : Philadelphia, Pennsylvania

TRACKLISTING :
1.Guitars
2.Candle
3.Angel
4.Baseball Player
5.Research
6.Water Pressure
7.Common Ground
8.Wishes to Fulfill
9.Piano Lessons

リスナーが曲と真につながる瞬間には、何か特別なことが起こる。科学と感情の架け橋となり、発火したシナプスを何か美しいものに変えるような、無形の反応が起こるのだ。その瞬間には、別のマイケルが存在する。曲が、家までの長い道のりの舞台を一変させるとき、過去の体験に語りかけると同時に新たな体験を生み出すとき、あるいは、音楽の中でしか明かされないような具体的かつ個人的な詳細を語ることで、普遍的な何かに触れるとき。新作の2枚組LP ‘Wishes To Fulfill’ と ‘Pick Me Up, Turn Me Upside Down’ において、バンドは歌への愛を満喫し、対照的だが相補的な2枚のアルバムを通して、その超越的な音楽的瞬間を創造し、敬意を表することに着手した。

リード・シンガー/ソングライターのMichael Dohertyとプロデューサー/ベーシストのNick Sebastianoを中心に、マルチ・インストゥルメンタリスト/ヴォーカリストのAlenni Davis、ドラマーのNoah Dardaris、そして長年のエンジニア/共同プロデューサー/コンフィダントのScoops Dardarisが参加した ‘Wishes To Fulfill’ と ‘Pick Me Up, Turn Me Upside Down’ は、合計21曲の非常に優れた曲を通して語られる、優れた曲の価値に関するの決定的な声明である。このアルバムは、ペンシルベニア州フィラデルフィアにあるヘッドルーム・スタジオと、バンドがデビューLP ‘2020’s New Music and Big Pop’(Pitchfork、Stereogum、Billboard、Paste Magazineなどから高い評価を得た)を制作したニューヨーク州ファーンデールの同じ家で、3年間に渡って作曲とレコーディングを繰り返し、形になった。この時間が実り多いものであったことが証明され、ミュージシャンたちが、自分たちにはアルバム1枚分以上の素材があることに気づき始めるのにそう時間はかからなかった。「最初は、1枚のレコードを作るために曲を作ろうとしたんだ。「その後、長いレコードを作るための曲を作るようになり、2枚組のレコードを作るようになり、最終的に2枚のアルバムを作ることに決めたんだ」

その結果、まるで兄弟のような、紛れもなく異なる存在でありながら重要な音のDNAを共有し、それぞれが人生の豊かさをサウンドトラックにするために、たくさんのダイナミクス、感情、ムードを提供する2枚のアルバムが完成した。「Another Michaelは一般的に、リスナーの課題に適用できるような音楽を作っていると思う」とセバスティアーノは言う。「私たちが好きな曲は、様々な状況において私たちが頼りにする存在なのです」。ドハティはこう付け加えた。「いい曲というのは、それがどこに行こうとも、一生持っていくことができるものだと思うんだ」

2023年リリースの ‘Wishes To Fulfill’ は、9曲のシングルにふさわしい曲で構成された29分の無駄のない作品で、時代を超越したフックのある曲ばかりなので、このジャンルで最もエキサイティングな新進気鋭のバンドの最新作というよりは、クラシック・ギター・ポップ・バンドのベスト・ヒット・コレクションに出くわしたかのように錯覚してしまうかもしれない。2024年初頭に到着した ‘Pick Me Up, Turn Me Upside Down’ は、より広がりがあり、辛抱強く展開され、バンドの活気に満ちたサウンドに新たな色合いをもたらす実験的な側面を見せている。どちらのアルバムも、アナザー・マイケルの音楽の核となる要素を際立たせている。独創的なコード進行に包まれた深くフックのあるソングライティング、軽快なベースラインが重なり合うハーモニーに満ちた豊かなアレンジ、そしてドハーティの個性的な歌声が、すべての要素をひとつにまとめている。「良い曲というのは、自分にとって常に変化するものだと思う」とドハティは言う。「私が経験した創造的なプロセスや個人的なリスニング体験は、常にそれをより深く理解するためのものなんだ」。ギター・ポップからインディー・フォーク、R&Bまで、あらゆるものがスープの中に放り込まれている。 ‘Wishes to Fulfill’ はそのレシピを最も即効性のあるキャッチーな結論へと導き、’Pick Me Up, Turn Me Upside Down’ は新しい素材を使ってサウンドとスタイルを予想外の方向へと押し進める。

‘Wishes To Fulfill’ のハイライトである “Angel”、”Baseball Player”、”Water Pressure” は、Another Michelがソングライティングの職人技を総動員して、1コーラス聴いただけで頭から離れなくなるような曲を作り上げたという感じだ。そして、”Pick Me Up, Turn Me Upside down” では、同じメロディーのコツを、”I’ve Come Around to That” の催眠術のような擬似クラウトロック、”Pick Me Up, Turn Me Upside Down” のまばらなバラード、”The Diners Spoon” の脈打つシンセの探求のような左旋回に応用している。また、両作品を通して、ドハーティの会話のようなリリックが音楽の奔放な創造性とマッチしている。