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ニューヨークとベルギーの異能が激突――Rump State が提示する「不協和の極致」

元 Sightings の Mark Morgan(ニューヨーク)とノルウェーの奇才 Gaute Granli(ブリュッセル)によるデュオ Rump State が、最新アルバム『Psychic Sidekick』から新曲「I Know Your Name」をリリースしました。2017年の出会いから50日間の共同ツアーを経て結成された彼らは、パンクとプログレの境界で「合意できないことに合意する」という独特の信頼関係を築き、コロナ禍による延期を乗り越えて本作を完成させました。

新曲を含む本作は、ミシガン州レッドフォードの Entropy Studio で録音されました。事前に話し合われたのは「二人のボーカルを重視すること」「ギターは Morgan、エレクトロニクスは Granli が担当すること」のみ。この最小限のルールから生み出されたサウンドは、既存の楽曲構造を一度解体し、スクラップとして売り払うかのような、耳障りで目も眩むような破壊的な音響体験へと昇華されています。

2023年のデビュー作『Retaliation Aesthetics』に続く本作は、2026年2月現在、今年最も挑戦的なアルバムの一つとして数えられています。大西洋を越えた二人の強烈な個性が激突する様は、単なる「議論」を無意味にするほどの衝撃を放っており、聴き手の文明的な価値観を根底から揺さぶる、極めて刺激的なポスト・ノイズ作品となっています。