Ora Cogan – Formless

ARTIST : Ora Cogan
TITLE : Formless
LABEL :
RELEASE : 8/25/2023
GENRE : dreampop, folk, psychedelic, ssw
LOCATION : Victoria, British Columbia

TRACKLISTING :
1.High Noon
2.Holy Hells
3.Feel Life
4.Cowgirl
5.Katie Cruel
6.Ways of Losing feat. Y La Bamba
7.Dyed
8.Drifting
9.Is Anything Wrong

‘Formless’ は、2023年8月25日にPrism Tongue Recordsからリリースされるのニュー・フル・アルバム。

バンクーバー島を拠点に活動するシンガー・ソングライター、は、2007年から「シネマティック・コンポジション」を制作・発表している。

彼女の9枚目のアルバム『Formless』(Prism Tongue Records)は、添付のプレスリリースによれば、ゴシック・カントリー、サイケデリア、ポスト・パンクなどから影響を受けた「奇妙な音のベン図」を提示している。

確かにFormlessの9曲には、カントリー・ミュージックを彷彿とさせるぼんやりとした眠気が漂っている。ヴァイオリンやトランペットなど様々な楽器に混じって、クリーン・ギターやアコースティック・ギター、デリケートなドラムが支配的な、それ以外はまばらで抑制されたアレンジの中で、正体不明のリヴァーブがかかった物憂げなドローンのようなテクスチャーがゆるやかに上昇しては下降し、空間を飽和させている。Sandy Denny, Maddy Prior,とJacqui McSheeの名手たちと同じような音域と音色のコーガンの歌声が、その中心にある。

プロダクションは、アナログ・テープの使用と温かみのあるリバーブの多用によるもので、心地よいヴィンテージの魅力がある。テープの飽和感、ヒス、ワウやフラッターなど、アナログ・アプローチから生み出されるアーティファクトが、『Formless』に時代を超えたノスタルジックなクオリティを与えている。

曲自体も控えめながら力強い。サウンドは夢のようで、ダイナミクスはミュートされているが、楽曲の多くには不安感や暗さが漂っている。実際、(アルバムの冒頭を飾る「High Noon」など)コーガンがポスト・パンク/ゴスの語彙をオルタナ・カントリーの音楽的アレンジというレンズを通して再解釈しているように感じられる部分がある(まるでGillian WelchがThe Sisters of Mercyをカヴァーしているようだ)。曲はパンチの効いたコーラスに頼るのではなく、シュールでゆっくりと燃えるようなアプローチに従っているが、それでもキャッチーで印象的なヴォーカル・ラインが多く、しばしば甘美なハーモニーに彩られ、繊細なギター・フックに支えられている。

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