Jane Remover – Census Designated

ARTIST :
TITLE : Census Designated
LABEL :
RELEASE : 10/20/2023
GENRE : , ,
LOCATION : Chicago, Illinois

TRACKLISTING :
1.Cage Girl / Camgirl
2.Lips
3.Fling
4.Holding a Leech
5.Backseat Girl
6.Idling Somewhere
7.Always Have Always Will
8.Census Designated
9.Video
10.Contingency Song (Album Version)

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ポップスやヒップホップの世界には常に若いスターが存在しますが、インディー・シーンの一風変わった実験的アーティストが、2年前に18歳でデビュー作『Frailty』を発表したのように大きな話題を呼ぶことは、そうそうあることではありません。当初はdltzk名義でリリースされたリムーヴァーは、ネット上で多くの別名義を持ち、彼女のリリースペースの速さがマイクロジャンル全体を生み出したと評価する声も多い。彼女の2ndプロジェクトと銘打たれた『Census Designated』は、Removerの粒立ちの良いローファイでハイパーなポップ・サウンドを、よりヘヴィでダークな領域へと押し上げた作品。

彼女の最新作で際立っている点があるとすれば、それはプロダクション。インダストリアル・ノイズ、ディストーション、ムーディーなオルタナ・ロック・ギターをふんだんに使い、カオスで不穏な音の世界が、とても心地よく暖かく聞こえるのは、ミキシングの賜物。リムーヴァーの内容とヴォーカルにふさわしい作品。リムーヴァーが自己破壊的な傾向を見直すきっかけとなった、凍った道路での瀕死の体験にインスパイアされた彼女は、陽気なポップ・センスでメロディーを奏でると同時に、世界の重圧に溺れているかのようなサウンドを逆説的に表現。

リリックでは、トランスジェンダーのティーンエイジャーとして存在しながらも、親密になる初期の恐ろしい段階、アメリカ中部の不穏な静けさ、そして音楽業界全体の官僚主義を表現。確かに聴く者を混乱させることもあるけれど、『Census Designated』の魅力は、リスナーがリムーヴァーのことを信じられないほど身近に感じられること。