Corinne Bailey Rae – Black Rainbows

‘Black Rainbows’ は、シカゴのストーニー・アイランド・アーツ・バンクにある、Theaster Gatesが収集したオブジェやアート作品にインスパイアされた音楽プロジェクトである。シカゴのサウスサイド、グレート・グランド・クロッシング地区に位置するStoney Island Arts Bankは、ブラック・アートの聖堂であり、アメリカの過去の書籍、彫刻、レコード、家具、問題のあるオブジェからなるブラック・アーカイブのキュレーション・コレクションである。アーカイブの場であると同時に、アーツバンクは集会の場でもある。ベイリーレイは2017年、そこでThe Black Artists Retreatに参加し、パフォーマンスを行った。

テーマが多岐に渡る ‘Black Rainbows’ の主題は、アーツバンクにある物との出会いから描かれている。エチオピアの岩を切り出した礼拝堂から、西へ向かう黒人開拓者の旅、1957年のミス・ニューヨーク・トランジット・クイーンから、ハリエット・ジェイコブスの抜け穴から夕日がどのように見えるかまで、Black Rainbowsは、黒人の女性性、呪術、内なる空間／外なる空間、時間の崩壊と祖先、抹消された黒人の子供時代、超越の器としての音楽などを探求している。

このプロジェクトは、ライブ・パフォーマンス、書籍、ヴィジュアル、レクチャー、展覧会など、さまざまな形で発表されている。サウンド的には、ファンにはおなじみのプログレッシブR&B、ネオ・ソウル・サウンドに加え、ロック、ジャズ、エレクトロニックな要素も盛り込まれたマルチ・ジャンル・ミックス・アルバムとなっている。アルバムのプロデュースはS.J. BrownとCorinne Bailey Rae。