Andra Ljos – Megalithic Statues of Vishapakar

ヴィリニュスを拠点に活動する作曲家、Aleksandra Evseeva aka Andra Ljosの4枚目のアルバムは、その名の由来となった青銅器時代の一枚岩のようにルーン的で儀式的だ：主にアルメニア高地で発見されたヴィシャップは、魚の頭や蛇が彫られた葉巻型の石板で、干ばつや破滅から水源を守ると考えられているアルメニアの民間伝承の聖なる蛇が描かれている。音楽は、ラーガと降霊術と第4世界の幻覚の間にある、同様に難解で献身的な空気を呼び起こす。

トラック・タイトルは、湖、湾、山、寺院にまたがるヴィシャップ発見の重要な場所を暗示している。ウッドブロック・パーカッションが、ループする鍵盤、黄金のオルガン、合成弦とフルート、遠くの鳥、くぐもった声、落ち着きのない水の柔らかな流れの下で揺れている。エフセーヴァのミューズはアルメニアの伝統から掘り起こされたものかもしれないが、曲はもっととらえどころのない、広がりのあるムードを想起させる。長い影と古代の恐怖に覆われ、神話へと急速に消えていく不可解な遺物が散在する土地への物思いにふける牧歌的な歌なのだ。