Album – Portrait de l’artiste

ガティノーの小生意気なバンド名「Album」のセカンド・アルバム’Portrait de l’artiste’は、セルフタイトルのデビュー作よりも遥かに不透明でスリリングな作品だ。2021年にTelephone ExplosionからリリースされたAlbumは、共同設立者であるOlivier Fairfieldが前身であるFET.NATで確立した音の世界（張り詰めた、スライスアップされたビートのコラージュとまぶされたサンプル）を聴覚的に拡張したものであったが、彼らの次の後継作は、謎めいているとはいえ、完全に異なるアイデンティティを確立している。

Fairfield (Last Ex、Timber Timbre、H. De Heutzでの活動でも知られる)と彼の共謀者であるSimone Provencher (VICTIMEの名で知られる)は、いかにわかりにくさが説得力を持つかを熟知している。彼らは共に、この音楽の不可解な表面の魅力を活用し、リスナーを綿密にサイケデリックなディテールが織りなす青々とした風景へと引き込んでいく。

結成以来、アルバムは常に幅広く独特な影響を受けており、彼らの比類なきサウンドを表現するのは難しい。’Portrait de l’artiste’では、意図的にジャズの側面を取り入れているが、予想に反して、これは彼らの分類不能な本質をより際立たせている。