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White Flowersが放つ、10年間のアーカイブの結晶。Al Doyleを迎え、ダンスの熱量と「悲しい幸福」が溶け合う最新作。

プレストン出身のドリーム・ポップ・デュオ White Flowers が、2ndアルバム『Dreams For Somebody Else』をリリースすることを発表し、新曲「Thinking Of You」を公開しました。Katie Drew と Joey Cobb からなる二人は、2021年のデビュー作『Day By Day』以来となる本作において、LCD Soundsystem の Al Doyle を共同プロデューサーに迎えています。新曲は、10月に発表された「Tear」に続く先行シングルとなります。

本作は、彼らのルーツであるドリーム・ポップを基盤にしつつ、ダンス・ミュージックの要素を取り入れ、「悲しい幸福感(sad euphoria)」と表現されるポップな感性を追求しています。楽曲制作の背景には、Annie Ernaux の著書『ザ・イヤーズ(月日)』への深い共鳴があり、過去の不揃いな断片を繋ぎ合わせることで、自分の人生を傍観者のように眺めるというコンセプトが反映されています。時間は流動的で境界がないという世界観のもと、人生の様々な段階にいる自分自身との「終わりのない対話」が音楽を通じて描かれています。

アルバムに収録された10曲は、彼らが過去10年間にわたって蓄積してきた音楽的・芸術的な断片やアイデアをアーカイブから引き出し、再構築したものです。Al Doyle との共同作業によって、それら散らばっていた「欠片」たちが、完成された楽曲群へと昇華されました。単なる懐古ではなく、希望に満ちた楽観と永遠の喪失感が同居する、彼らにしか鳴らせない多層的なサウンドスケープが完成しています。