The Native Cats – The Way On Is the Way Off

ARTIST :
TITLE : The Way On Is the Way Off
LABEL :
RELEASE : 11/10/2023
GENRE : ,
LOCATION : Hobart, Australia

TRACKLISTING :
1.Oscillator At the End Of Time
2.Bass Clef
3.My Risks Is Art
4.Former Death Cult
5.Small Town Cop Override
6.Vivian Left Me
7.Dallas
8.Suplex
9.Rain On Poison
10.Battery Acid
11.Tanned Rested and Dead
12.Kay Carroll

『The Way On is the Way Off』は、オーストラリア・ホバートの名ポスト・パンク・デュオ、(ベーシストのJulian Teakleとシンガー兼エレクトロニクス・オペレーターのChloe Alison Escott(2020年にChapterからソロ・アルバム『Stars Under Contract』をリリース)の5枚目となるベスト・アルバムである。
Dry CleaningやSleaford Modsのようなポスト・パンクのスピリチュアルな先達であるThe Native Catsは、2000年代後半から地元タスマニア(オーストラリアの人里離れた寒い島国)でカルト的な人気を博してきた。ミニマルなベースとドラムが鳴り響く中、クロエの歌詞がねじれ、混乱させ、余韻を残す。バンドはアメリカをツアーし、メンフィスの伝説的なGoner Festに出演し、Stereogum、NPR、Brooklyn Veganなどのメディアに取り上げられ、シドニーのオペラハウスで演奏した。

2020年、両A面シングル『Two Creation Myths』のキラー・シングルを筆頭に、これまでで最高のレコードをリリースした彼らは、知名度と賞賛の波に乗っていた。しかし、パンデミックとオーストラリアの長期閉鎖は、強烈な孤独、孤立、絶望の時期をもたらした。 作詞家、歌手、パフォーマーとしてのクロエの自信は、かつてないほど低下していた。
そんなどん底の時期でも、Native Cats LP #5の幻影は呼び続けた。ジュリアンはインストゥルメンタルのデモを録音し、クロエにメールで送るのをやめなかった。クロエは書くことを止めず、以前は生々しすぎたり、暴露しすぎたりして載せられないと感じていた歌詞を再検討し始めた。小さなひらめきが、より大きなひらめきに変わっていった。バンドは毎週曲作りのセッションをするようになり、再び演奏の誘いを受けるようになり、観衆は即座に彼らの新曲に惚れ込んだ。

プロデューサーの Ben von Fürstenberg とレコーディングした『The Way On is the Way
Off』は、バンドのヘヴィで灼熱の楽曲を、絵画的なアプローチで丹念に仕上げている。すべての要素は、テーマ的な共鳴と感情的なインパクトのために選ばれている。クロエの歌詞は、彼女がついに正面から向き合った根深いトラウマとアイデンティティの問題、そしてポストパンクの歴史と系譜についての考察から生まれたもので、アルバムのタイトルは David Thomasが彼のバンドPere Ubuのために書いたルールと原則から引用されている。挫折と自信喪失は今や遠い記憶となり、『The Way On is the Way Off』は、完成が不可能と思われたときにThe Native Catsが望んだすべてであり、結成当初から目指してきたすべてでもある。