Royal Canoe – Sidelining

Royal Canoeは、過去10年間、単純で規定された道を歩んできたとは決して言えません。頑固なまでに「遠回り」をすることに興味を持ち、その結果、アルバム、EP、ビデオ、実験的なライブショーなど、創造性と同様にプロセスにおいても冒険的な作品を数多く生み出してきました。そのため、最新アルバム ‘Sidelining’ を Private Ear Studiosで制作し始めたとき、1つのルールがありました。それは、以前に作った曲のナゲットや歌詞のアイデアを使わないこと。先週思いついたデモをバンドに持ち込むこともありません。すべてその日のうちに作り、完成させるのです。

ヴォーカルの Matt Peters(マット・ピーターズ)は、「スタジオを予約して、すべての機材をセットアップして、マイクをつけて、あとは録音ボタンを押して、成り行きに任せていました」と語ります。「これは、すべてを前もって計画していた過去3作のアルバム制作とは、まったく逆のアプローチです。最初は、恣意的な制限のテストのように感じましたが、その後は自分たちを信頼して、ドラムのパートやコード進行、リコーダーのソロなど、浮かんでくるアイデアに従うことを学びました。自分たちが発見したアイデアをリアルタイムで捉え、曲が形になっていくのを見るのはとても新鮮でした。」

その結果、この1年の紛れもない緊張感が伝わってくるようなアルバムになりました。しかし何よりも、曲は生々しく正直なコミュニケーターであろうとする試みです。彼らは古いやり方に挑戦するために鏡を投げています。慣れ親しんだものを壊し、より良いものを作り直そうとする叫びなのです。