Kevin Farge – Halcyon Days

コスタリカの北西海岸に位置するグアナカステに、熱帯の乾季が下りてきた。青々とした背の高い草が枯れ、黄金色に染まる。ニカラグア湖から吹く貿易風は、山の谷間を容赦なく吹き抜け、すべての湿気を太平洋に流し去っていく。ターコイズブルーのガラスのように滑らかな水の上で、風は踊り続ける。ハルシオンの鳥が海に巣を作る。散歩道の赤いハイビスカスや大木のオレンジの花には、蜜がたっぷり含まれている。水色の浅瀬で遊ぶサーファーたち。

空虚な豊穣の太陽の光は、女神の腰の上に伸び、急ぐこともなく、このハルシオンの日々は、数週間、数ヶ月と延びていく。時間は何の意味も持たなくなる。毎日、強く涼しい風が吹き、波は入り江の角を包み込み、金色の草が風に揺られている。神話の獣が天空を行進し、星座は夜空で戦い、無害で、思い出となる。古傷を測り、自分を高め、新たな挑戦をする時期でもある。5月には乾季が終わり、牡牛座が天空を行進して嵐をもたらし、雨季の始まりとなる。

‘Halcyon Days’ では、Kevin Farge(ケヴィン・ファージ)が中米を紹介する。テキサス湾岸出身でコスタリカ在住のファージは、ソフトなペットサウンド、メロディカのムーンドッグ、そしてオス・ムタントのトロピカリアへの傾倒において、Paul Simon や Leonard Cohenのようなサウンドを聴かせてくれる。このアルバムはまた面白い。