John McGuire – Vanishing Points / A Cappella

ARTIST : John McGuire
TITLE : Vanishing Points / A Cappella
LABEL : Unseen Worlds
RELEASE : 9/22/2023
GENRE : classical, ambient, minimal
LOCATION : US

TRACKLISTING :
1.Vanishing Points
2.A Cappella

1970年代半ばに作曲した「Pulse Music」において、作曲家はヨーロッパ・シリアリズムのユニークな解釈を作り上げた。その後、Karlheinz Stockhausen, Krzysztof Penderecki, Gottfried Michael Koenigに師事したマクガイアは、1970年にドイツのケルンに移り住み、ケルンにある西ドイツ放送(WDR)の世界最先端の電子音楽スタジオと関わるようになった。シュトックハウゼンと同様、マクガイアも自分の音楽的イマジネーションが、利用可能なテクノロジーによって制約され、またインスパイアされていることに気づいた。

彫刻家Hans Karl Burgeff(ハンス・カール・ブルゲフ)との会話がきっかけで、マクガイアは地平線の彼方、無限の空間に思いを馳せるようになった。Vanishing Points』(1985-1988)では、マクガイアは初めて完全なデジタル・セットアップを使用した。デジタル・シーケンサー、8台のヤマハDX-7シンセサイザー、スチューダーの24トラック・デジタル・テープレコーダーである。この作品は『Pulse Music』シリーズの「続編」として構想されたが、同時に『Pulse Music』シリーズから一歩前進した作品でもあった。『Pulse Music』の作品が安定したパルスの流れを採用していたのに対し、『Vanishing Points』では、マクガイアは互いに加速したり減速したりするパルスのレイヤーを採用し、その結果、リズムの複雑さが大幅に増した。

1983年に録音されたモートン・フェルドマンの『Three Voices』で知られる妻でソプラノ歌手のベス・グリフィスのために書かれた『A Cappella』(1990-1997)でも、マクガイアの音楽技術の探求は続いている。サンプルを使って4声の合唱団を作り、相互作用するパートにアレンジした。シンセサイザー音の精密さに比べ、人間の声は有機的であるため、作曲は難題に直面した。このプロセスには、徹底的な編集と、”素材 “と “オリジナルの構想”との間の交渉が必要だった。このような交渉は、1つの作品の作曲にも、20年にわたる作品にも当てはまる。