GUM – Saturnia

GUMの前身である5枚のアルバムと、サイケ宇宙飛行士Pondの共同リーダーとしての9枚のアルバムを通じて、ワトソンの落ち着きのないイマジネーションは、過去10年間で最も多様なサウンドの探求を私たちに見せてくれました。しかし、『Saturnia』では、これらのビジョンがワトソンのこれまでのキャリアの中で最も豊かで、かつ最も首尾一貫した作品にまとまっています。

頭に浮かんだサウンドやムードを自由に組み合わせる能力があると、テープの1秒1秒に詰め込めるものはすべて詰め込みたくなるもの。今回のワトソンの教訓は、曲のために素晴らしいアイデアを削ぎ落とさなければならないこともあるということに気づくこと。

オープニングの “Race to the Air “は完璧な幕開け。巨大な惑星間航行船のように舞い上がり、ロボ・グルーヴと震えるストリングスで構成されたコズミック・ディスコのきらびやかな景色が目に飛び込んでくる一方で、おそらくこのアルバムで最も意外な曲のひとつであろう “Would It Pain You to See? “は、官能的なR&Bのきらびやかな流れ。

実際、『Saturnia』で最も聴きごたえがあるのは、曲全体が意外な方向へと変化していくことであり、ひとつの曲として始まったかと思えば、まったく別の成層圏へと飛び込んでいくのだ。