Firestations – Pixel Wilderness EP

‘Pixel Wilderness’ は、’Automatic Tendencies’ EP三部作の第三弾にして最終作です。このプロジェクトは、’Automatic Tendencies’、’Melted Medium’、そして今回の ‘Pixel Wilderness’と、6ヶ月間に渡ってリリースされた3つのEPから構成されています。

それぞれのEPには、バンドによる別の「沈んだ」バージョンや、他のアーティストによるFirestationsの新曲のカバーやリミックスが収録されており、ミックステープの美学を取り入れています。バンドメンバーでアーティストの Laura Copseyーは、各リリースのアイデアを発展させた限定版のアート作品を企画しました。各プロジェクトのリードトラックは、Lost MapのPostmap Clubサブスクリプション・シリーズの一部としてリリースされています。

2018年に Lost Mapからリリースされた前作 ‘The Year Dot’ 以降、Firestationsはコンセプチュアルなオルタナポップのブランドに磨きをかけており、新曲ではアイデンティティ、所属、進歩、逃避といったテーマをより詳しく取り上げています。”Sun In Your Eyes” は、バンドの初期の頃の曲で、その後さまざまな未発表の形で存在していましたが、最近のバンドの音の実験のレンズを通して、今、焦点が揺らいでいます。バースの “you are strongly and tougher than you think, you’re not going down any time soon”（あなたはあなたが思っているよりも強く、タフで、いつでもすぐには降りられない）という回復力のメッセージは、変化するドローンと洗い流されたノイズの不穏な背景によって疑問視され、その後、「you’re not going down with the sun in your eyes」という強烈なハーモニックなコーラスによって、はっきりと肯定されます。バンドは、マントラのようなリフレインと転がるようなコード進行に取り憑かれ、酔いしれながら、一つになって動いているように聞こえます。

EPのオープニング・トラックである “Machine Country” は、インターネットという荒涼とした世界の中で自分自身の感覚を失ったときの高揚感と沈滞感を表現した、レトロフューチャー的な嘆きの曲です。”It’s Unreal” では、うっすらとしたギターのループと洗い流されたシンセのドローンが、解離とそれを維持することへのプレッシャーについての歌詞を引き立てています。”Outpost Index (Sunken Version)” では、バンドは自分たちの曲を別の方法で表現するというプロジェクトを続けています。前作のEPに収録されていたこのシンセポップの曲は、マイクとローラのボーカルが前面に出て、影響力のある親密な指弾きギターのバラードに生まれ変わりました。

カバーバージョンには、友人でありドローンポップの仲間である The Leaf Libraryを起用し、Melted Medium のトラック “The Circular” を完全に変化させました。彼らのバージョンは、オリジナルの周期的で催眠的な要素を、歪んだギター、サックスの挿入、至福感のあるヴォーカルのカタルシスをもたらす6分間の波へと発展させています。

‘Pixel Wilderness’ の最後の曲は、Firestationsの77分の音の実験作 “Dream Home” をOcean Moon（別名Jon Tye）がリミックスしたものです。レーベル Lo Recordingsの片割れであると同時に、Jonは広々とした深い瞑想的なサウンドを得意とするミュージシャン／プロデューサーでもあります。シングル “Sun In Your Eyes” のB面に収録されている “Dream Home” のLong Ago and Far Away ミックスでは、オリジナルのボーカルやベースラインの断片を使って、揺らめくような音の風景を作り出しています。

Pixel Wilderness

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