Field Medic – light is gone 2

ARTIST :
TITLE : light is gone 2
LABEL :
RELEASE : 9/1/2023
GENRE : , ,
LOCATION : US

TRACKLISTING :
1.they all seem so happy
2.TSION
3.you deserve attention
4.everything’s been going so well
5.without you i’d have nothing (& i might even be dead)
6.the look on her face like a reoccurring dream
7.mass market paperback
8.iwantthis2last!
9.empty arms

Kevin Patrick Sullivan(ケヴィン・パトリック・サリヴァン)は、10年前からとして音楽をリリースしている。サリヴァンの最新作 ‘Light is gone 2’ は、2015年のデビュー作の精神的な続編のようなものだが、同時にサウンドの転換を意味し、エキサイティングな新章をスタートさせるために、我々が知っているField Medicを解体している。

‘Light is gone 2’ は、Field Medicの2022年発表のアルバム ‘Grow Your Hair Long If You’re Wanting to See Something That You Can Change’ から1年も経たないうちにリリースされた。サリヴァンは、「前作と同時期にレコーディングを始めたんだ。フォーク・ミュージックを作ることに少し退屈を感じていて、トラップ・ミュージックをたくさん聴いていたんだ」。彼は自分の曲をバラバラにし始め、フックや日記のようなリリックはそのままに、フォーク的な要素を808やシンセサイザーに置き換えた。「当時は、自分には曲を思い通りに鳴らすスキルがないと感じていたので、脇に置いておいたんだ」とサリヴァンは言う。「でも、この1年はサイド・プロジェクトのpaper rose haikuの制作に時間を費やし、プロダクションについてもっと学んだ。普段は使わないような新しいサウンドを使ったり、アコースティックなフォークソングとは違うものを意図的に作ろうとしたりしながらね」

「このプロセスは、単なる曲作りの練習というだけでなく、新たなサウンド・ツールの箱が開かれたような爽快感があった。創作者として、曲作りの経験を再びエキサイティングなものにすることは、曲に対するサービスだと思う。楽しんでやっていると、それが曲にも反映されるんだ」とサリヴァンは説明する。「自分自身と自分の好きなもの以外には何も考えないような選択をしたかったんだ」。サウンドは大きく異なるが、レコーディングの精神はField Medicの初期LP ‘light is gone’ を思い起こさせる。あのアルバムは、4トラック・テープレコーダーを使ったサリヴァンの能力の転機となったが、’light is gone 2′ は、デジタルとマルチトラック・レコーディングによる彼の躍進によって定義される。「トラップ・ミュージックやニュー・ウェーブ・ミュージックがずっと好きだったんだ。ローファイ時代にキーボードやビートを使って、それらを取り入れようとしていたんだ」。サリバンがデジタル・レコーディングに踏み切ったもうひとつの利点は、アルバムのミキシングをノルウェーからリモートで行ったChris Walla(Death Cab For Cutie、Tegan and Sara、The Decemberists)の助けを借りることができたことだ。その結果、他に類を見ないField Medicのレコードが誕生した。

揺らめくシンセに包まれ、安定したドラムマシンのパルスに支えられた ‘light is gone 2’ は、サリヴァンの作品をワイドスクリーンで3D化したような印象だ。それだけでなく、Field Medicの音楽をこれほど魅力的なものにしている本質的な生々しさと人間性を保ちつつ、エレクトロニックな領域に心から踏み込むことに成功している。「これらの曲の多くは、現役のアーティストであろうとすることへの反省のようなものだ」とサリヴァンは言う。「私は19歳の時にこの仕事を始めて、今32歳だ。もっと曲を作ったり、ビデオを作ったり、チラシを作ったり、いつも何かを作っている。Field Medicというキャラクターの中で、ケヴィンとしての自分を見失いそうになることもあった。このアルバムの多くは、”成功する” ことに全エネルギーを集中することから生じる孤独と解離について書かれている。精神状態が悪いと、本当にラットレースのように感じることもあるけれど、このアルバムは、音楽にはルールなんてないんだということを本当に思い出させてくれたと思う」。”TSION” の浮き立つようなインディー・ポップや “iwanthis2last!” のうっとりするようなニュー・ウェイヴは、サリヴァンの何にでも挑戦するアプローチの輝かしい例であり、”without you i’d have nothing (& i might even be dead)” や “mass market paperback” は、クラシックなField Medicのインストゥルメンテーションと、泡のようなプロダクションの華やかさやオートチューンの独創的な使い方がシームレスに融合している。

Field Medicの全作品に明らかなことがあるとすれば、それはサリヴァンの創作に対する奔放な熱意であり、光が消えても2を通して、新しいサウンドやスタイルを探求する喜びが感じられる。「音楽を完成させ、世に送り出すことが好きなんだ。曲の中に語られるべきストーリーがあり、それは完璧である必要はない。サリヴァンの多作ぶりは、焦りではなく本能的なもので、単に曲を書くことが好きなソングライターにとっては必要なことなのだ。曲作りは本当に楽しいことなんだ。だから、曲そのもの以外のことはあまり気にしないんだと思う。今日曲を作って、明日また作るんだ」