強くたくましいことが名誉の象徴のように語られる社会では、もう十分だと認めること、つまり手放すときを受け入れることは、ずっとずっと難しいことなのです。ニュージーランドのシンガー/プロデューサー/マルチインストゥルメンタリスト、FazerdazeことAmelia Murrayは、この真実と何年も格闘してきたのですが、その物語は、ありがたいことに、個人の再生という力強いパンチラインを伴っているのです。
2018年末にブレイクしたデビュー作 ‘Morningside’ のツアーを終えたアメリアは、深い燃え尽き感と、それ以上に、人生全般において「歯車が外れ始めている」ことを感じていると話す。”もはやストイックで強くあることは、自分自身にとって最高のことだった。私の人生でうまくいっていない人々や物事をあきらめることは、私が背負っていたこの重荷をようやく下ろすことができるこの大きな解放であり、それ以来、私の人生全体においてすべてが良くなっています」と、彼女は安堵の声を上げながら続けます。「自分の直感が聞こえるし、曲も書けるし、クリエイティブになれる。レコード契約もしたし、自分の家にも引っ越したしね。
90年代風のファジーなギターと透明感のある歌詞(タイトル曲の “Something’s gotta give/ Something’s gotta change/ You’re just trying to live/ I’m just gonna break”)が印象的な「Break!」だが、その実態は極めて重要な解放感に満ちたEPである。ギターを弾くことで得られるカタルシスと、BlurやNirvanaのようなバンドへの愛情を込めた、Fazerdazeの新作Break! FazerdazeのEPは、現代に欠かせないアーティストの重要な再紹介であり、音楽の形で空気を浄化するものである。