Eva Sajanova & Dominik Suchy – Decision Paralysis

Decision Paralysis』は、Eva SajanovaとDominik Suchyによる初のコラボレーション。

彼らの音楽は非常にミニマルで反復的。冷たいシンセサイザーは、サジャノヴァのヴォーカルを生音やエフェクトのかかったレイヤーで美しく補強。際立っているのは、ビートやパーカッシブな要素を一切使わないという決定。アルバム全体が、ヴォーカル、シンセ、レイヤー、そしてそれ自体が持つ豊かさだけで回っているのです。

これはSuchyのこれまでの作品に通じるもので、彼のトレードマークのひとつは、現代の実験音楽で起こっていることの多くに逆らいながら、主にメロディーとハーモニーで仕事をすること。ある意味、クラシックやポップスへの回帰を目指したもので、音楽的な反抗というよりは、音やアプローチ、形式を使った実験的なもの。

歌詞はスロバキア語のみで、解釈は自由。おそらく聴き手は意味にとらわれることなく、サジャノヴァの声、フレージング、発声テクニックに集中できるはず。子供のような繰り返しのダダイズムの詩から、人生本来の美しさと無意味さについての実存主義的な重い声明まで。

スロバキアのイラストレーター、Martuによるアルバム・ジャケットは、素朴さ、美しさ、自然、合成、暗さ、輝きの境界線を曖昧にしています。すべてが同時に。