Ben Lumsdaine – Murmuration Without End

『Murmuration Without End』は、プロデューサー、作曲家、パーカッショニスト、マルチ・インストゥルメンタリストのBen Lumsdaineによるリズム研究集。

友人宅の地下スタジオにこもって録音した瞑想的なシンセのドローンから始まったトラックは、楽器レイヤーを重ねるごとにシンセ固有のモジュレーションが意味するメーターやパルスを乱し、やがてマルチ・テクスチャー、ポリリズムの音世界へと変化。また、サックス奏者のDustin Laurenzi（Bon Iver、Bill Callahan）、トランペット奏者のJohn Raymond（S. Carey、Sara Bareilles）、ギタリストのDrake Ritter（Durand Jones、Diane Coffee）など、ゲストミュージシャンも参加。

キューバのバタのリズムの躍動感にインスパイアされたラムスデインは、明確なパルスを持ちながら、ダウンビートがかなり不明瞭な音楽を構築することを自らに課し、最終的には未知の中に平和を見出すことを芸術的に明確に表現。特に、現役ミュージシャンであるラムスデインの主な楽器が伝統的なドラムキットであることを考えると（Durand Jones、Chris Schlarb、Anna Butterss、Bex Burchのアルバムで彼のドラムを聴くことができる）、珍しいパレットでこれを達成する方法は、『Murmuration Without End』で特に印象的。