ARTIST : Badge Époque Ensemble
TITLE : Air, Light & Harmony
LABEL : Telephone Explosion records
RELEASE : 11/3/2023
GENRE : jazz, soundtrack
LOCATION : Toronto, Ontario
TRACKLISTING :
1.Air, Light & Harmony
2.Bowls
3.Goding Of Think
4.Child Is The Father Of His Dream
5.Lujon
6.One For Sharif
7.Spider Perched On An Illusion
8.Thinking Of God
9.Stalled In Genesis
11月3日、トロントのBadge Époque Ensembleが新作 ‘Air, Light & Harmony’ を携えてTelephone Explosion Recordsに戻ってくる。このリリースは、ジャズ・ファンク・グループのTERでのリリースペースを維持するもので、’A,L&H’ は6枚目のLPリリースであり、2019年以来4枚目の正規アルバムとなる。
このリリースは、2019年の ‘Nature, Man & Woman’、2021年の ‘Future, Past & Present’ に続く、三部作と題された作品を完成させるものだ。これら3作はいずれも、先行アルバムのループやステムを再サンプルしたコンポジションをフィーチャーしている。 ‘Air, Light & Harmony’ ではこの手法をさらに推し進め、(ポーティスヘッドの有名な手法のように)埃をかぶった自作LPからのスニペットを社内で再利用し、歪んだ曖昧なムードスケープを作り出している。このテクスチャー重視の姿勢は、BÉE唯一の完全インストゥルメンタル・アルバムにふさわしい。
この最新作は、昨年のポラリス・ロング・リスティング・アルバム ‘Clouds of Joy’ の最大主義に対抗するものである。Clouds』には、Discogsに投稿された20人近いミュージシャンが参加しており、緻密なアレンジ、高らかに歌い上げるクワイア・ヴォーカル、伸びやかなソロ、歓喜への瞑想など、まるでDiscogsに投稿された作品のような密度がある。
バンドリーダーのMaximilian Turnbullは、この変化について言及している: 「絵画よりもスケッチに近いアルバムを作りたかったんだ。熟考することなく、自然発生的な動きだけだ」。したがって、このアルバムはターンブルのガレージのホーム・スタジオで迅速に制作され、控えめな爽やかさが特徴となっている。
タイトル曲は、ターンブルとキーボーディストのEdwin de Goeijの共作で、ドラマーのJay Andersonのブームバップ・サンプルをベースに、神経質で淀みないドラム・チョップやパーカッショニストのEd Squiresのヴィブラフォン・ソロによって中断された、アジマスらしからぬ不吉なグルーヴが滑り落ちてくる。
“Spider Perched On An Illusion”は、ザッパ風の点描画のようなシーケンスと、スモーキーなアコースティック主体のグルーヴを交互に聴かせるノーカットの逸品で、ヴィブラフォンとフルートのソロが競演する。
他にも”Bowls”では、バッジがトーンをよりシルクのような、キャンドルライトのようなものに変化させている。ギタリストのクリス・ベザントとサックス奏者のKaren Ngによる見事なまでにムーディーな展開に合わせて、鈍いリムショットが時を刻み、ECM時代のリバーブプレートがコンガ、フレットレス・ベース、DX7の滑らかな鍵盤を瞑想的な雰囲気で包み込む。
“Goding of Think”と”Thinking of God”は1枚のコインの裏表のような曲で、Gio Rosatiの軽快なベース・プレイによってスクリュー・ループが焦点を結ぶ。
ラッパーのBoldy JamesとO.C.とのコラボレーションに続き、BÉEはDJに格付けされたラップの実力を、Henry Manciniのエキゾチカの名曲’Lujon’のほっこりするようなカヴァーや、アルバムのクローズ曲”Stalled In Genesis”で発揮している。
突然、レコードは終わり、B面の終わりからA面の始まりに戻ることを要求される(あるいは、Siriにそれと同じことをしてもらう)。これほど幅広く、それでいて控えめなスタイル・ツアーは、ユニークで多彩なグループにふさわしい稀有な成果だ。Badge Époque Ensembleは、水面がその高さを見つけるように、自由なアプローチでアルバムを作り上げた。