AUTOBAHN – Ecstasy of Ruin

ARTIST :
TITLE : Ecstasy of Ruin
LABEL :
RELEASE : 4/28/2023
GENRE : ,
LOCATION : Leeds, UK

TRACKLISTING :
1.Post-History
2.Silver
3.Acid Child
4.Fields of Blood
5.Tension
6.Cylinder
7.Ecstasy of Ruin
8.Breather
9.Vanity
10.Class War

彼らの終焉に関する報道は大げさなもので、北の大地は再び立ち上がったのだ。前作から約5年、リーズの住人は、4月28日にからサードアルバム『Ecstasy of Ruin』をリリースし、再び戦いの場に戻ってきたのだ。半世紀という時間は長いようでいて全く長くはない。永遠に変わらないものがある一方で、永遠に変わるものもある…というわけで、AUTOBAHNは彼らの特徴である産業用ポストパンクのブレンドの特徴をそのままに再登場したのかもしれないが、ボンネットの下ではよりスリムで集中したマシンになっているのだ。AUTOBAHN 3.0だ。

2017年の『The Moral Crossing』がドラマチックなリズムセクションによって定義されたレコードだとすれば、2023年のAUTOBAHNの生まれ変わりが4ピースに削られ、以前のドラマーがいない状態で登場することは、取るに足らないことではないだろう。この変化は、進化を必要とする。生ドラムはドラムマシーンやサンプルベースのパーカッションに取って代わられ、それに伴い、バンドは彼らの典型的なブラックな美学を、エレクトロニック・ボディミュージックのハードなテイクに再構築している。前作同様、完全なセルフプロデュース作品であり、2つの自作スタジオで様々なアナログ機材を使って録音され、その回路には彼らの先人たちの亡霊が取り憑いている。実際、Ecstasy of Ruinの一部はMartin Hannettの伝説的なスタジオから回収されたものを使って制作されている。AUTOBAHNは、ハル出身のCOUM TransmissionsやシェフィールドのSteel City、あるいは自分たちの故郷のゴシックな歴史など、イギリス北部から発せられる薄暗い音楽の長い伝統の一部を確かに感じており、その存在の痕跡は明らかである。彼らが運ぶ聖火は崇高なものだ。

しかし、『Ecstasy of Ruin』が豊かな系譜の一部を形成しているとすれば、それはまた、今を語っているのだ。Post-History “というタイトルの曲で始まり、”Class War “で終わるこのアルバムは、現在の状況やその中での自分たちの位置づけに何らかの譲歩をせずに終わることはないだろう。インダストリアル・ミュージックはその性質上、身体的な問題であり、しばしば人間の身体とその経験をテクノロジーの文脈の中に置き、後期資本主義の様々な苦悩を反映するものだ。AUTOBAHNは、この対立をある種の形で表現することに努めている。フロントマンのクレイグ・ジョンソンのヴォーカルは常に激しく、緊張感のある音楽だが、歌詞には美や力強さ、そして表向きには希望が繰り返し暗示されている。このように、アルバムのタイトルは示唆に富んでいる。このすべての混乱の中に、ある種の至福があるのだ。AUTOBAHNは、苦痛に立ち向かうというよりも、その(非)論理的な結末まで乗り切ろうとするのです。タイトル曲でJohnsonが暗示するように、「生きることに集中しろ、痛みは忘れられないだろう」。これは親近感のある感情だ。