Alexia Avina – In The Pantheon of Decay

ARTIST : Alexia Avina
TITLE : In The Pantheon of Decay
LABEL : Lost Map Records
RELEASE : 11/10/2023
GENRE : dreampop, electronic, indiefolk
LOCATION : Queens, New York

TRACKLISTING :
1.Flight
2.Cutting Ties
3.It Is Well With My Soul
4.Second Thoughts
5.Pay Attention To This Falling Apart
6.Sleeping On The Floor In A Room With No Heat
7.NPD / Father’s Day

ニューヨークを拠点に活動するアメリカ人シンガーソングライター兼マルチ・インストゥルメンタリスト、(アレクシア・アヴィーナ)のニュー・アルバム『In The Pantheon Of Decay』。2023年11月10日リリース予定で、8月にの定期購読サービス「PostMap Club」の一環としてリリースされたシングル “NPD / Father’s Day” が先行している。主にインストゥルメンタルの7曲で、言葉だけでは決して伝えきれない怒り、トラウマ、平和への探求を表現している。これまでで最も集中した、手強い作品だ。

東南アジアで育ち、モントリオールを拠点に現在はニューヨークに住むアレクシアの音楽は、ドリーム・ポップ、スローコア、アンビエント・エレクトロニカ、ローファイ・フォークの結節点に存在し、常に落ち着きなく進化し、新しい形を見出している。彼女のソロ・デビュー・アルバム『Betting On An Island』は2018年にNever Contentからリリースされ、続くセカンド・アルバム『All That I Can’t See』は2019年にリリースされた。2020年、アレクシアはアルバム『Unearth』で Recordsからデビューし、Paste、GoldFlakePaint、Clashなどから支持を得た。2021年にはアルバム『A Little Older』、2022年にはエレクトロニック・プロデューサーのTalk Bazaarやteaseaとコラボした『Crush EP』を発表し、シンセやドラムマシンを取り入れた。多作なソロ活動に加え、アレクシアはアンビエント・デュオBest Fernの片割れとしても音楽活動を行っており、2023年にデビュー・アルバム『Earth Then Air』をリリースした。

アレクシアは、5枚目のソロアルバム『In The Pantheon Of Decay』について、「この作品は、おそらくこれまでで最も傷つきやすく、個人的で、そして明らかになった作品です」と語っている。と、アレクシアは5枚目のソロアルバム『In The Pantheon Of Decay』について語っている。自分の声という手段に頼ることなく、自分自身と自分の意味を表現するのは自由なことだった。ある意味では、このアルバムに内在する深く感情的で非言語的なトラウマを表現する唯一の方法だと感じている。

2年前にニューヨークに引っ越してすぐ、友人のベッドルームのスタジオで録音されたこのアルバムは、彼女が言うところの “自由な流れと自由な転落の時期”に制作された。「この曲は、その決断の直後の旅路を描いたものであり、私が最初に経験したPTSDの絶頂期に存在した状態や感情を捉えたものでもある。私と兄の歴史は、私にとって新しい形で意味を持ち始め、点と点が繋がり、真実が悟られた。

オープニングの「Flight」は、アルバムのミックスも担当したトーク・バザーがパルス感のあるビートをフィーチャーし、続いてPanther Hollowがギターで参加したエンディング・トラック「NPD / Father’s Day」のレコーディングに参加した。あとはすべてアレクシアの手によるもので、友人から借りた楽器や機材を使い、見慣れないものや新しいものを取り入れながら、彼女のスタイルである素早く本能的な作業を行なっている。「手に入るものは何でも受け入れるという作業だった」と彼女は言う。

「Cutting Ties」の沈んだリズムと歪んだデジタルの遠吠えから、「Sleeping On The Floor In A Room With No Heat」のような一枚岩のノイズまで、『In The Pantheon Of Decay』の中心にある5つの言葉のないサウンドスケープは、激しい海や嵐の雲のように上昇し、下降し、消えていく。怒りと絶望、恐怖と憧れといった感情の波が、秩序なくぶつかり合い、ぶつかり合う。父親との決別をテーマにしたこのアルバムで、アレクシアは、父親が彼女の人生に残した溝、そして距離や時間に関係なく、親が常に子どもに対して持つ不変的で幼稚な力と折り合いをつけようとしている。アレクシアが声とギターの心地よいゾーンに引きこもり、すべてを置き去りにすることを文字どおり切々と語る。痛みは美しくなる。

「冗談でこのアルバムを “アンビエント・レイジ” アルバムと呼んでいる」とアレクシアは言う。「このアルバムには、私の本質である柔らかな雰囲気がまだ含まれているけれど、その表現は以前よりも硬く、厳しくなっている。根底にあるのは、深い悲しみ、深い怒りなんだ」