Silicone Prairie – “Serpent in the Grass”

Ian Teeple(イアン・ティープル)が率いる変幻自在のパンク・バンド、カンザス・シティのシリコン・プレーリーの復活を待ち望んでいた。2021年にリリースされた『My Life on the Silicone Prairie』でソロ・プロジェクトのサウンドを発表して以来、彼は多忙を極めている。それ以来、彼は数え切れないほどのバンドのアートワークを手がけ、レコード・ジャケットやポスター、Tシャツのデザインを手がけると同時に、ナッシュヴィルのSnõõperの最新メンバーとして、彼自身の創造的なエネルギーに匹敵する数少ないバンドのひとつになった。シリコン・プレーリーのデビュー・アルバムは、散らばった思考に命を吹き込んだような、奇妙なベンチマークとなった。7月28日にフィール・イット・レコーズ(It Thing、Sweeping Promises、Private Lives)からリリースされるこのアルバムは、あらゆることが可能に感じられるタイプだ。ティープルは音楽的に1つの場所に留まることに満足することはほとんどなく、素晴らしい曲のためにジャンルの境界線を曖昧にすることに喜びを感じ、グラム漬けのパワーポップ、ヒネリの効いたローファイ・ディスコ、うっとりするようなベッドルーム・プログレの高揚感、そしてもちろん最も芸術的なポスト・パンクの間を飛び回る。このアルバムは、幾重にも重なり、操られたアイデアと、それを結びつける煌めくソングライティングが織り成す、とてつもないレコードだ。

“Serpent In The Grass “は、このアルバムのリード・シングルであり、アルバムのオープニング曲である。この曲は、アルバムの中でも “ストレート・フォワード “なパンク・ソングのひとつだろうが、”ストレート・フォワード “な部分はほとんどない。動物が泣き叫ぶような埋もれたギター・ソロ、急峻なエッジからワーワーと鳴り響くシンセ、そのすべてを切り裂くドラムが、うなり声を上げながら疾走する。トム・ヴァーレインを彷彿とさせる扱いにくいメロディを持つティープルのヴォーカルは、あまりにも多くのことが起こっているため、そのすべてを理解するには何度か聴く必要がある。キャリー・ウォーレンが監督と編集を手がけたビデオでは、ティープルが仲間に囲まれている…仲間たちは、彼が死ぬのを見たがっている。

Posted on 08/24/2023