バンクーバーを拠点に活動するプロデューサー兼作曲家、B.Michaaelの新作『Gore』。青々としたシンセシスと揺らめく環境音楽のシナプス的なニューエイジ・パスティーシュである本作は、葉っぱのような合成パルプに限界性を塗り込めた、非常に活性化されたコンポジションである。ネバネバした感性を持つこのアルバムは、鎮静作用のあるパッドと温かみのあるウェーブ・シェイプに、サンプル、サウンド・デザイン・スパイラル、受粉したテクスチャーのディテールを織り交ぜた不思議な外観をまとっている。これは有機的な音楽であり、暗示的で豪華、遊び心があり甘美に包み込む。B.Michaaelは、エレクトロニック・ニューエイジ・ミュージックの古風な構文を利用し、それを現代のサウンド・コラージュの感性を通して屈折させ、波打つようなエモーショナルなコンポジション・コレクションを創り出すことに長けている。
