レコ屋で働くことで得られる情報と、こうやってブログを継続させるために得ようとする情報は、全然違うのかなと考えさせられる一年でした。まぁ、もちろん気持ちの問題だけかもしれませんが。そういうのを踏まえてここでは、warszawaを全面に出せたらと思ってたんですが、どうでしょう。ってことで今年も年間ベストであります。
31. Baked – Debt (Exploding In Sound)
歌詞の中身は分らないので曲名の意図が何か知らないけど、こんな感じの曲名最近多いよね。ってことで、今年も例年通り31位から、透け乳首で始まりです。
30. Ausmuteants – Order Of Operation (Goner)
前作のアルバムタイトルはバンド名の文字列を入れ替えたややこしいやつだったけど、今回はちゃんと付けてくれました。でもなに考えてるのか分らないこの感じ、変だなあ。
29. Amen Dunes – Love (Sacred Bones)
こちらはモロ乳首。胸毛が濃そうな煙たいフォークを得意としますが、いかにも気が合いそうな人達と演ってみたら意外と整理されました。今後も親友と一緒にお願いします。
28. The Fresh & Onlys – House Of Spirits (Mexican Summer)
今年は目立ったソロ活動も無く、バンド作に集中してくれた。ただこのバンドを測る時の基準は結構曖昧で感覚的なものに頼る。ってことで雰囲気一発でやられたかな。
27. Klaus Johann Grobe – Im Sinne Der Zeit (Trouble In Mind)
レーベルとして今年のベストに挙げても良さそうなところですが、その中で少ない海外組のひとつ。英語じゃない慣れない感じとコトコトした音の組合せに吸引力がある。
26. Bored Nothing – Some Songs (Spunk)
ペインティング・ジャケ同様に音も手書き感が盛りだくさん。人柄がそのまま出ていると思われるが、本人は気さくな人か、大人しい人のどっちとなんだろう。
25. Julie Byrne – Rooms With Walls And Windows (Orindal)
こういうのが思った以上に人気なんだなと分って勉強になった。ギターひとつで飾りっけなく、只々歌う。この作品自体まだまだ売れそうですが、次はどうするんだろう。
24. Low Life – Dogging (R.I.P Society)
同名のバンドが大体どれくらいいるか、便利なサイトを使えばすぐに分るようになりましたが、それを使う以前に幾つか同名バンドを知ってた。この名前に共通して釈然としない感じがやっぱりあるんです。
23. Reigning Sound – Shattered (Merge)
このレーベルがこのバンドを評価したことがなかなか熱い。移籍と同時に音に余裕が出て、バンドの持っている素の部分が見えてきたし、こんなに優しい音をやれる人達だったとはね。
22. The Paperhead – Africa Avenue (Trouble In Mind)
即興と呼ばれる音楽は、なにも難しい音楽だけのことじゃないようです。誰もがすぐに覚えられるメロディこそ、即興音楽と思わせる作品です。
21. First Base – First Base (HoZac)
もしこのレーベルから出ていなかったら、きっと聴いていなかったでしょう。何故か不思議とひっかかってしまった。こういうシンプルなバンドが後に大ブレイクするのかも。
20. Los Angeles Police Department – Los Angeles Police Department (Forged Artifacts)
カセット・レーベルが初めてヴァイナル・リリースを決断した作品であるのがよく分かる。いい音楽、いいバンドとの出会いは地道な活動が物を言うのですね。
19. The Skygreen Leopards – Family Crimes (Woodsist)
ここのレーベルから出るかと、ちょっと予測していなかったがこれは結果大成功。彼等自身も心境に変化があったかもしれないが、久々に帰ってきたと思ったらふっ切れてかなりポップス。
18. The Gotobeds – Poor People Are Revolting (12XU)
今年のノーマーク組バンド中で最も熱かった。ある意味2014年だから出来上がった音楽だし、そう意味では彼等みたいのが現在のオルタナ最右翼でしょう。
17. King Gizzard And The Lizard Wizard – I’m In Your Mind Fuzz (Castle Face)
今年もう一枚出ていますが、3部作の最後ってことでこちらを選びました。3作品全部聴くとこの作品のコンセプトが見えてくるが、そんなの関係なしにかっこいいんだよ。
16. Dylan Shearer – Garagearray (Castle Face/Empty Celler)
争奪戦の結果?今回からレーベルまたぎになりましたが、みんなが欲しがるのがとても分ります。極めてた歌作りが実に素晴らしい。この人はもっと評価されてもいいと思うけどな。
15. Wand – Ganglion Reef (God?)
Ty Segall門下生的存在ですが、その位置からすぐに卒業を果たしそうなくらいデビュー作にて高い完成度。来年早々に別レーベルから新作が待っているっていう事実が全てを物語っている。
14. Woods – With Light And With Love (Woodsist)
ちょっと時間を空けて、メンバーも若干シャッフルして、今のWoodsを真正面から出したような作品。今後もゆっくりやってくれたらいんじゃないかな。
13. Laura Jean – Laura Jean (Chapter Music)
彼女に限らず女性でフォークっぽいシンガー・ソングライターは世界中から現れてきてますが、女性の武器だけじゃない才能を感じさせてくれるシンガーのひとりです。
12. Big Ups – Eighteen Hours Of Static (Dead Labour/Tough Love)
こらは10年周期に確実に乗ったバンド。10年前の人達もまだまだ現役で活動してるけど、やっぱり若くないと出せない音がある。これもアメリカン・インディ/オルタナの美しく現在形。
11. King Tuff – Black Moon Spell (Sub Pop)
この人は先行イメージが強すぎて善くも悪くも損してる。アルバム全14曲、結構色々とやってるんで、ひとつの曲で印象を決めてもらっては困ります。
10. Total Control – Typical System (Iron Lung)
レコーディング・エンジニア業に引っ張りだこで、バンドの方はどうなってるんだろうと思ってましたがやっと出ました。彼が手掛けた音楽がこの作品に少なからずは影響していると思う、オージー・トップ基準。
9. Ty Segall – Manipulator (Drag City)
少し久々のリリースだったので頑張っちゃったのかな。曲が多いのは大目に見るとして、やっぱりずば抜けていますね。結局全部キラー・チューン。
8. Quilt – Held In Splendor (Mexican Summer)
年初に出た不遇系の作品ですが、僕の記憶にはずっと残ってます。究極に何気ないメロディが作れるバンドとしてこれからもずっとやっていけそうです。
7. Parquet Courts – Sunbathing Animal (What’s Your Rupture?/Rough Trade)
違うバンドで述べましたが、彼等も現在らしい存在だと思うし、それを作り上げたのがこの人達自身。この音楽を聴くことが何よりアクティヴなんです。
6. Grouper – Ruins (Kranky)
昨年の過去作編集盤が影響しているのか、通常路線からはまた違うのを用意してきた。彼女の本心がどこにあるのか分からないまま毎度踊らされる。でもそれがぐらぐらと心地好いわけで。
5. Mitski – Bury Me At Make Out Creek (Double Double Whammy)
前にも作品があったようですが、今回初めて知りました。色んな意味で時代のヒロイン的存在になりうる逸材。次作は大きめなレーベルに移っても不思議ではありません。
4. Alex G – DSU (Orchid Tapes/Lucky Number)
突如現れた天才、こちらはこれが処女作。どんな音楽を聴いてきたんだろうと想像は膨らむが、最初でこの曲作りはなかなかだし、天性の物なんだろう。
3. Angel Olsen – Burn Your Fire For No Witness (Jagjaguwar)
彼女はステップアップを果たしたいい例。ギター・オンリー路線から飛躍して、ミュージシャンとしての新たな存在感を得た。ちょっと太ったのが気がかりですが。。
2. Ought – More Than Any Other Day (Constellation)
特にメロディアスではないけど、何故か感傷的。反復するフレーズが基本なのになんか不思議。そして完全に乗せられる。この後出たEP含めて、トータルでこの位置になりました。
1. Blank Realm – Grassed Inn (Bedroom Suck/Fire)
わりと前半にでましたが、聞いた瞬間に、あ、これは今年一番ヤバいやつだと分った。で、結局これを越えるのはなかったのです。初期の作品から追ってる身としては、ここんなことになるとは思ってもいなかった。
ってことで、普段のレビューの評価はあんまり関係ない結果です。個人的な環境が影響しているかもしれませんが、今年は新しい世代のインディ、オルタナ元年っていう印象でした。そして国別内訳は、
アメリカ 22
カナダ 1
オーストリア 7
その他 1
と、オージーものが大躍進な結果になりました。近年のオーストラリア産は本当に充実していますねえ。カナダ物ももうちょいあるかなあと思ったのですが、意外と少なかった。とはいってもアメリカ中心になっちゃうんですけど。
そして、あとは歌を作れるバンド、アーティストに改めて魅了されましたようで、ソロそしてソロバンド形態のアルバムが全部で12作品という割合にも表れています。
さて、来年はまた新たな環境のもと、このwarszawaを続けて行けたらと思ってますんで、今後ともよろしくお願いします!
でわ、またすぐに。