Fiver(Simone Schmidt)が、7月10日にYou’ve Changed Recordsからリリースされるニューアルバム『Cleaning House』より、先行シングル「Tomka Ton」を公開しました。本作は、2020年に霊能者から授かった「過去の遺物や停滞したエネルギーを浄化する儀式」に着想を得ており、自分自身の精神的な「家」を掃除し、過去14年間に蓄積された未完成のメロディや感情を整理するプロセスから生まれました。
制作の核となったのは、ドラマーのNathan DoucetとベーシストのJeremy Costelloとの「Trois」による即興的な対話です。プログレッシブ・ロック、ジャズ、ヒップホップといったバラバラな影響源を持つ彼らは、言葉のない音楽的対話を通じて深い応答性を築き上げました。さらに、ペダル・スティール奏者のDani Crowtherらが加わることで、伝統的なカントリー・ミュージックの枠を超えた、革新的で多層的なサウンドへと昇華されています。
アルバム全体には、現代社会が抱える構造的な不平等、軍国主義、環境破壊といった深刻な状況への鋭い洞察が流れています。長年リハーサルを重ね、短期間でテープ録音し、切迫感を持ってミックスするという手法をとった本作は、単なるスローガンの提示ではなく、18年間にわたり書き続けてきた論理の延長線上にある「謙虚な詩」として、聴き手を日常の外側へと連れ出す一作となっています。
「呪われた品々」を整理し、必要なものだけを音楽として残すというエピソードには、執着と解放の狭間で揺れるアーティストのリアルな葛藤が凝縮されていますね。
