JD Pinkusと植物アンサンブル「Sound Sanctuary」のコラボレーションによる本作は、レーベルJoyful Noise Recordingsが推し進める「AI生成音楽への対抗手段」および「異生物間(インタースピーシーズ)の音楽的共作」をテーマにした極めて革新的なシングルです。パキラやフィカス(ゴムノキ)の葉に電極を設置し、光合成時の水分移動に伴う電気伝導度の変化をMIDIデータへと変換することで、植物自身に作曲者・演奏者としての「声」を与えています。AIなどのデジタル技術が効率的に人間の表現を模倣する現代において、有機的な生命のバイオリズムを音楽の周波数として抽出する本企画は、自然界とのつながりを取り戻す象徴的な試みとして位置づけられています。
バンジョー奏者であるJD Pinkus(Melvins, Butthole Surfers)は、植物薬(プラント・メディスン)をテーマにした自身の楽曲「Fungus Shui」を手がかりに、当初は自らが主導権を握るつもりでセッションに臨みました。しかし、制作過程で主客の立場は逆転し、最終的に彼は楽器を置いて植物に水をやり、葉にやさしく触れることでサウンドをコントロールする手法へと移行しました。その結果、植物が奏でる音が不協和音から温かみのある「鳴き声」のようなトーンへと変化し、「Fungus Shui Trinity」および「Leaf Me Alone」という互いの生命活動が共鳴し合った唯一無二の作品群が誕生することとなりました。
