ノースカロライナ州を拠点とするインディペンデント・レーベルsound as languageから、オースティンを拠点に活動するPlume GirlとHome Bakerによる共同実験ポップ絵巻、スプリットLP『Every Day I Weave on the Great Loom』が2026年7月17日にリリースされます。本作は、混沌とした世界を背景に、日々の儀式や労働、職人技を通じて「安全な避難所」を築き上げたいという強い欲求から生まれました。ホメロスの『オデュッセイア』に登場する不屈の人物ペネロペの寓話をモチーフに、聖なる領域と俗なる領域の間に宙吊りになった境界空間(リミナル・スペース)を、至高の音響で描き出しています。
アルバムの核となるのは、人生と音楽の双方でパートナーである二人の、明確でありながらも美しく収束していく音楽的アプローチです。ヒンドゥースターニ系アメリカ人のミュージシャンSowmya SomanathによるソロプロジェクトPlume Girlは、インド古典音楽(ヒンドゥースターニやカルナータカ)の伝統を拡張しつつ、ポップなメロディへの繊細な親和性を融合。一方、Home BakerことWalter Nicholsは、EWI(電子管楽器)を通じて管楽器の表現の可能性を追求し、抽象的な楽曲に触知できるような実体感を与えています。
これらの豊かな要素を一つに結びつけているのが、デジタル・テープマシンの「Bastl Thyme」です。変調されたPlume Girlの熾天使(セラフィム)のようにクリアな歌声と、Home Bakerが奏でるEWIのサウンドは、この機材を通じて処理され、ディレイがかけられ、ループされることで、広大で遮るもののない壮大な音響空間へと解き放たれます。二人のミュージシャンの間にある深い忍耐と直感的な理解に導かれた本作は、極めて親密に織り上げられていながらも、果てしなく拡張していくような果てしない旅をリスナーに提示しています。
