BUBBLE TEA AND CIGARETTES – “seventeen little stars “, “bluebook”

BUBBLE TEA AND CIGARETTESのシングル「bluebook」は、まるで恋人同士の間で交わされる秘めやかな「告白」のような、親密でエモーショナルな空気感を纏った作品です。本作は2つの楽曲が組み合わさることで一つの物語を紡ぎ出す構成となっており、バンド自身も「この2曲が合わさる形でリリースされることがベストだった」と語るほど、楽曲同士が深く共鳴し合っています。彼らの代名詞であるドリーミーでセンチメンタルなサウンドスケープのなかで、傷つきやすさと美しさが繊細に描き出されています。

サウンド面においては、2人の愛の物語を優しく包み込むような、スロウで没入感のあるプロダクションが特徴です。囁くようなボーカルとヴィンテージな質感を帯びた楽器の音色が重なり合い、聴き手を夜の静寂の中に引き込むような独特の世界観を構築。ただの楽曲の詰め合わせではなく、2つの対話が重なり合うことで初めて完成する、非常にシネマティックでロマンチックなシングルに仕上がっています。


saoirse dream – “onlooker (From HOW TO FIND A CAREER THAT LOVES YOU BACK)”

「onlooker (From HOW TO FIND A CAREER THAT LOVES YOU BACK)」は、ポートランドを拠点に活動するアーティストsaoirse dreamによるシングル曲です。本作は、市民監視テクノロジー企業に勤める2人のトランスジェンダー開発者を描いた短編映画の劇伴として書き下ろされました。これまでのハイパーポップな軸を残しつつも、歪んだギターが唸るグランジの気だるさと、轟音が幾重にも重なるシューゲイズの没入感を大胆に取り入れた、新境地を開拓する一曲に仕上がっています。

楽曲全体を包み込むのは、美しくもどこか退廃的なノイズポップの質感です。甘美なメロディラインをあえてノイジーな音壁で埋め尽くすことで、映画のテーマである「冷徹なテクノロジー社会」と「そこに生きる人間の葛藤」という二面性を見事に表現しています。オルタナティヴ・ロックの系譜を引き継いだ重厚なサウンドスケープでありながら、彼ららしいエモーショナルな繊細さもしっかりと息づく、中毒性の高いトラックです。


Preloved – “Heading Out”

インディー・ロック/ギターポップ・シーンに新鮮な風を吹き込む Preloved のシングル「Heading Out」は、日常からの脱却や新たな一歩を踏み出す瞬間のきらめきと、それに伴う一抹の寂しさを鮮やかに切り取ったエモーショナルな楽曲です。瑞々しくもどこかノスタルジックなギターサウンドと、胸を締め付けるような美しいメロディラインが印象的で、聴き手を一瞬にして甘酸っぱい記憶の旅へと連れ出します。変化を恐れず、前を向いて進もうとする誰もが共感できる普遍的なテーマが、彼らならではのオルタナティヴな感性で精緻に描かれています。

このシングルに付随するミュージックビデオ(ビデオ)は、楽曲の持つシネマティックな空気感をさらに増幅させる見事な仕上がりとなっています。ロードムービーを彷彿とさせる美しいロケーション、光と影を効果的に用いたノスタルジックな映像美、そして登場人物たちの繊細な表情や機微が、音像と完璧にシンクロしています。ただの演奏ビデオにとどまらず、1編の短い青春映画を観終えたかのような深い余韻とカタルシスを残すこのビデオは、「Heading Out」という楽曲の世界観を補完する上で欠かせない重要なピースとなっています。


オンタリオの州立公園を巡るキャンプ旅、ポータブルバッテリー1台で自然のなかに紡いだ孤独の記録──fanclubwalletのメンバーによるソロプロジェクトPreloved、DIY精神が宿る待望のデビュー作をリリース

カナダのオタワを拠点とするインディーバンド fanclubwallet のメンバーとしても活動する Michael (Miki) Watson によるソロプロジェクト Preloved が、待望のデビューアルバム『Willow』を Lauren Records からリリースすることを発表しました。本作は「鉄道ファンと郊外の子供たちのための音楽」をコンセプトに掲げており、オルタナティブ・インディー・ロックやドリーム・ポップ、インディー・フォーク、ローファイ・ポップが融合した瑞々しい作品です。Watson が約3年をかけて書き溜めた楽曲群は、オンタリオ州立公園を巡るキャンプ旅の最中、ポータブルバッテリーを用いて大自然の中で一人でレコーディングされました。

アルバムの発表に伴い、パートナーであり fanclubwallet のフロントマンでもある Hannah Judge が共同執筆・ゲスト参加したリードシングル「Motorcycle」が、ミュージックビデオと共に先行配信されました。本作は「バイクを手に入れれば、人生のすべてがうまくいくかもしれない」という純粋で衝動的な願いを描いた、アウトサイダー・アートのような独特の佇まいを持つアコースティック・ナンバーです。楽曲の終盤には「本当の初心者だけど、すごく気に入っているよ」というリアルな語りも挿入されており、日常の風景や自由への憧れが遊び心たっぷりに表現されています。

Watson 自身が作詞作曲から演奏、録音、ミックス、マスタリングまでをほぼ完全に単独で手がけた『Willow』は、深いDIY精神とノスタルジックなエモーショナルさに満ちています。作者本人が「生活のより軽やかな側面を映したもの」と語る通り、昨年の春にどうしても欲しかったダートバイクへの募る想いを Hannah Judge と共に歌へと昇華させた「Motorcycle」をはじめ、日常の記憶を美しいメロディへと変えた珠玉の楽曲が並びます。オタワのインディーシーンから登場した新星 Preloved が贈る、2026年の夏を彩るにふさわしいデビュー作の全貌に期待が高まります。


急逝した名ドラマー TJ DeBlois の魂を刻んだ最終録音——FILMがデビューアルバム『Permanence』で放つ、剥き出しのパンク・スピリット

フィラデルフィアを拠点とするメロディック・パンク・トリオ FILM が、デビューアルバム『Permanence』を5月22日にLauren Recordsからリリースすることを発表しました。バンドは The Starting Line の Ken Vasoli、Hop Along の Joe Reinhart、そして Halfway to Holland の TJ DeBlois という実力派たちで構成されています。パンデミック禍の自然発生的なセッションから始まったこのプロジェクトは、過剰な装飾を排し、ポスト・ハードコアやパンクの生々しい精神に根ざした直感的なサウンドを追求しています。

本作は、2023年に38歳の若さで急逝したドラマー TJ DeBlois の遺作でもあります。当初はデモとして制作されていましたが、彼の逝去を受けてバンドは録音に一切手を加えず、その瞬間の即時性と魂をそのまま保存することを選択しました。先行シングル「Roundabout」に象徴されるように、スタジオでの衝動的なセッションがそのままパッケージ化されており、長年の友人であった Reinhart は「TJが叩いた最後の演奏を多くの人に聴いてほしい」と、彼への深い敬愛を込めて語っています。

音楽的には Drive Like Jehu や Braid といったバンドのDNAを受け継ぎ、完璧さを求めるのではなく、剥き出しのエネルギーをぶつけるような荒々しいメロディが特徴です。アルバムタイトルの『Permanence(永続性)』が示す通り、この作品は単なるデビュー作を超え、深い友情と喪失、そして音楽的なコラボレーションの記録としての意味を持っています。リアルタイムでバンドが形作られていく瞬間を切り取った、エモーショナルで力強いステートメントと言えるでしょう。

Career Woman – “Game Of Pricks”

Career Woman が、Guided by Voices の名曲「Game of Pricks」のカバーをリリースしました。長年温めてきたというこの特別な楽曲は、彼女にとって思い入れの深い一曲であり、プロデュースには miki が、ミュージックビデオの制作には orion が協力しています。オリジナルの持つ疾走感とエモーショナルなメロディを、彼女独自の感性で再解釈した仕上がりとなっています。

本作は、Career Woman らしい親密な空気感と、DIY精神に溢れた映像表現が融合したプロジェクトです。制作を支えた仲間たちへの感謝と共に送り出されたこのカバーは、シンプルながらも楽曲の持つ核心を突く力強さを備えています。アーティストとしてのルーツを大切にしながら、新たな息吹を吹き込んだ、ファンにとっても待望のリリースと言えるでしょう。


幻想と現実が衝突する「生い茂る庭園」への招待状――Nymphlordがデビュー作で描く、剥き出しの自己像

Nymphlordが2026年5月15日にリリースするデビューアルバム『Shedding Velvet』から、ニューシングル「Garden」を公開しました。本作は90年代オルタナティブ・ロックの質感と初期フォークの叙情性を巧みに融合させており、壮大な夢が非現実的に感じられ始めた時に生じる「空想と現実の摩擦」を深く掘り下げた、幻滅と再起の成長物語となっています。

楽曲は、伝統的なポップスの構造からあえて距離を置きつつも、ドライなウィットと心地よい違和感によって思わず口ずさみたくなるような中毒性を備えています。繊細な独白を刻む彼女のボーカルは、力強いアコースティック・ギターの伴奏に支えられながら、やがて生々しくうねるエレキギターの激しいサウンドへと飲み込まれていきます。

アルバム全体を通じて、Nymphlordはベルベットを剥ぎ取って骨を晒すような、形成過程にあるアイデンティティの生々しい肖像を提示しています。不安や不協和音の中に空想的な美しさと希望を同居させたその世界観は、草木が生い茂る彼女自身の内なる庭園へと聴き手を優しく招き入れ、剥き出しの真実を共有するような音楽体験をもたらします。

fanclubwallet – “Moving Unison”

カナダのオタワを拠点とするHannah Judgeのプロジェクト fanclubwallet が、ニューシングル「Moving Unison」をリリースしました。彼女らしい親密でDIYな雰囲気のベッドルーム・ポップを基盤にしつつ、今作ではより洗練されたプロダクションと、どこか心地よい疾走感のあるサウンドが展開されています。日常の些細な感情の揺れを捉える鋭い観察眼と、キャッチーながらも少し捻りの効いたメロディラインが、彼女のアーティストとしての進化を感じさせます。

「Moving Unison」は、対人関係における絶妙な距離感や、歩調を合わせようとする心の機微をテーマにしています。軽快なギターのカッティングと柔らかなヴォーカルが重なり合い、リスナーの耳に優しく残る仕上がりとなっています。これまでの作品で多くの共感を集めてきた「親しみやすさ」はそのままに、より多層的な音の重なりを楽しめる本作は、彼女が次なるフェーズへと着実に進んでいることを証明する一曲です。

The High Curbs & The Red Pears – “PROMISE”

カリフォルニア州チノを拠点とする The High Curbs が、同じくシーンを牽引する The Red Pears とタッグを組み、Lauren Records からニューシングル「PROMISE」をリリースしました。2013年の結成以来、スケートボード、ピザ、そしてガレージロックという固い絆で結ばれた彼らは、地元のスケートパンク・コミュニティの精神を体現し続けている存在です。

本作でも、Eduardo Moreno(ヴォーカル)、Tony Tankarino(ギター)、Aaron Korbe(ドラム)の3人による、粗削りながらもキャッチーなガレージサウンドが健在。盟友 The Red Pears とのコラボレーションにより、DIYシーン特有の親密さと爆発的なエネルギーが融合した、ファン待望の一曲に仕上がっています。

Cissné – “Water Lily”

東京を拠点とするバンド Cissné が、カリフォルニアの名門インディーレーベル Lauren Records からニューシングル「Water Lily」をリリースしました。彼らのサウンドは、ポストブラックやスクラムズ(skramz)の持つ激動のレイヤーと、アンビエントやポストクラシカルの繊細な旋律が交錯するアヴァンギャルドなスタイルを特徴としています。叙情性と実験精神を兼ね備え、静と動が共存する独自の世界観を提示しています。

今作では、これまでの音楽性をさらに深化させ、静寂(しじま)や空間の広がりを活かしたよりオーガニックな表現へと進化を遂げています。重厚な轟音の奥に、削ぎ落とされた空間美が息づいており、都市の喧騒と内面的な静寂を繋ぐようなダイナミックな音像が魅力です。国境を越えたレーベルからのリリースにより、日本の先鋭的な音楽表現が世界のオルタナティブ・シーンへと波及する重要な一歩となっています。

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