Duuのシングル「L’heure bleue」は、黄昏時の静謐な空気感と内省的なサイケデリアが溶け合う、極めて美しく幻想的な楽曲です。フランス語で「ブルーアワー(日の出前や日の入り後に街が青い光に包まれる時間帯)」を意味するタイトルの通り、歌詞では「木々の間に降りるビロード」や「ネオンが灯る瞬間」といった繊細な情景描写を通じて、現実と夢、あるいは幻影の境界線が曖昧になっていく浮遊感が描かれています。「恐れることなく暗闇や夢の上を漂いたい」という願いや、フクロウの鳴き声に象徴される不在の存在への思慕は、聴き手をどこか映画的でノスタルジックな白昼夢へと誘います。
この世界観をサウンド面で支えるのが、モントリオール・インディシーンの才人たちによる緻密なアレンジメントです。シンガーソングライターのHelena Delandをボーカルに迎え、Étienne Dupréがプロデュースをはじめギター、ベース、そしてヴィンテージ・シンセサイザー(EMS VCS3やProphet 5)の演奏からサンプリング、フィールドレコーディングまでをマルチに担当。12弦ギターのきらめく残響やアナログシンセの温かみのあるモジュレーション、そして環境音が織りなす音響工作は、オーガニックでありながらもどこか実験的で、シューゲイザーやアンビエント・エレクトロニカにも通じる深い没入感を生み出しています。
