Dent May – “Second Wind”

8月14日にリリースされる7枚目のアルバム『The Big One』からの最新シングル「Second Wind」は、Dent May特有の洗練されたポップセンスが際立つナンバーです。楽曲は「疲弊して落ち込んだ状態から、セカンド・ウインド(再び得た活力)を掴んで世界へと連れ出すエネルギーを見出すまでの道のり」を描いています。「疲れ果てて目を開けていられない」という冒頭の諦念から、「帆に風を受けて夜の中へと再び進む、闘いを諦めない」という力強いポジティビティへと向かう変化が、極上のポップサウンドに乗せて表現されています。

Ambar Navarro(SparksやWeyes Blood等を手掛けた監督)と撮影監督のMax Flickが手掛けたミュージックビデオは、60年代のテクニカラーによるバラエティショーを思わせる夢幻的で洗練された世界観が特徴です。『The Dick Van Dyke Show』の夢のシーンからインスピレーションを得た内容で、Dent Mayがパジャマ姿で眠りについた後、水飛沫をきっかけに超現実的な潜行意識の世界へと潜り込みます。洗練された衣装を身にまとったDent Mayが、姿の見えない砂の女性に操られるマリオネットのようにダンサブルかつ滑稽な身振りで踊りながら、救いへと向かっていく姿がキャッチーに描かれています。


Dent May – “I Remember…”

Dent Mayが8月14日にリリースするニューアルバム『The Big One』からの先行シングル「I Remember…」は、内省的でありながらも味わい深いポップ・ナンバーです。フェデリコ・フェリーニの映画『アマルコルド』や、ジョー・ブレイナードの詩集『I Remember』からインスピレーションを得たという本作は、よくある甘ったるいノスタルジーではなく、その語源である「一種の痛みや病」としての郷愁を描いています。地元のバーで出会った友人Samuel Josephと共同執筆されたこの楽曲は、上手くいかなかった過去の恋愛における、良かったことも悪かったことも含めたすべてのほろ苦い瞬間を、意識の流れ(ストリーム・オブ・コンシャスネス)のように回想するエモーショナルな1曲です。

シングルと同時に展開される世界観は、失われた時間への切なさと、記憶の断片を愛おしむような温かみのある表現が特徴です。美しくもどこか物憂げなメロディに乗せて語られるディテールは、聴き手の心にある普遍的な過去の記憶を呼び覚まします。アルバム『The Big One』のリリースに向けて、Dent Mayが持つ卓越したソングライティングの才能と、日常のなかに潜む複雑な感情をキャッチーなポップスへと昇華する手腕が、遺憾なく発揮された作品に仕上がっています。

casi – “ELEVEN87”

「ELEVEN87」は、Carpark Recordsからリリースされたcasiのセルフタイトル・ニューアルバム『CASI』に収録されているシングル曲です。この楽曲のミュージックビデオは、アーティスト本人であるcasiと、映像監督を務めるDee Juliano Scottが共同でプロデュースを手掛けています。監督のDee Juliano Scottは、映像のエディター(編集)も兼任しており、アーティストの世界観をダイレクトに映像へと昇華させています。

撮影現場を支える制作陣には、撮影監督(DP)のKenny X Hamletを中心に、カメラオペレーターのWilliam Tang、Christian Wright、Solomon Cohenらが集結し、巧みなカメラワークを展開しています。さらに、Adam Corneliusによるカラーグレーディング(色彩調整)や、Aidan Jungが手掛けるVFX(視覚効果)が映像に深みを与えています。ビデオ内では、Ifeanyi Odoh、Elainie Kassa、そしてSumoの3名が出演しており、クリエイター陣のこだわりが詰まった見応えのある作品に仕上がっています。

Artificial Go – “Jane Ate The Apple Seed”

シンシナティを拠点に活動するロックンロール・コンボ、Artificial GoがCarpark Recordsからリリースした待望の新作7インチ・シングルは、バンドの緩やかでありながらも急速な進化を示す1枚です。メンバーのAngie Willcutt(Vo)、Cole G Patrick(Dr)、Ryan Sennett(Gt)、Micah Wu(Ba)の4人は、ライブ時とは異なりレコーディングでは柔軟に楽器を入れ替える自由なスタイルをとっています。2枚のアルバムと精力的なツアーを経て届けられた本作には、跳ねるようなギターと躍動的なベースラインがダンスフロアへと誘うA面曲「Triple Ones」と、メンバーが担当楽器をスイッチし、オートハープを弓で奏でるなどして神秘的なトランス空間を作り出したB面曲「Jane Ate The Apple Seed」の対照的な2曲が収録されています。

本作のサウンドは非常に楽しく魅惑的である一方、Angie Willcuttが綴る歌詞はシリアスな感情に深く根ざしています。「最も露骨に怒りを表現した」と語る「Triple Ones」では組織のトップに搾取される人間のフラストレーションを描き、メンバーが共同生活を送る家の地下室でのジャムから生まれた「Jane Ate The Apple Seed」では、誰もが知る寓話の裏に隠された物語をミステリアスに描き出しています。世界に対する怒りや不満をあえて喜びとダンスへと昇華させる、彼らの好奇心に満ちた表現の探求が凝縮された作品です。


casi – “BRIDGES”

アメリカの2人組デュオcasi(カゼ)のシングル「BRIDGES」は、2026年6月19日にCarpark Recordsからリリースされる彼らのセルフタイトル・デビューアルバム『CASI』に収録された楽曲です。幼少期からの友人であるイーライ・エドワーズ(Enumclawのメンバーとしても活動)とジェイヴィエン・ヤングによって結成された彼らは、ヒップホップ、ハードコア、ニュー・メタル、エモといった多彩なジャンルを融合させた攻撃的かつエモーショナルなサウンドを展開しています。

アルバムのラストを飾るこの「BRIDGES」は、バンドの音楽性を象徴するドラマチックな一曲に仕上がっています。彼らの特徴であるデフトーンズ(Deftones)を彷彿とさせるメロディックなアプローチと、デス・グリップス(Death Grips)のような剥き出しで容赦のない独白が交錯するサウンドは、ジャンルの境界線を激しく破壊しながら、リスナーに強いインパクトを与えます。


「壊れた心で、人生が始まるのを待っている」――切ない孤独を極上のメロディへと昇華するDent May、コンフォートゾーンを揺るがす渾身の新曲を引っ提げ待望の帰還

前作にあたる7作目のアルバム『What’s For Breakfast?』から約2年、ロサンゼルスを拠点に活動する多作なサイケ・ポップの鬼才Dent Mayが、待望のニューアルバム『The Big One』を2026年8月14日にCarpark Recordsからリリースすることを発表しました。あわせてアメリカ・ツアーの開催もアナウンスされており、彼のキャリアに新たな足跡を刻むポップ・エキゾチカな注目作がこの夏、遂にベールを脱ぎます。

アルバムの発表と同時に、極めてキャッチーで絶妙な仕上がりの同名リードシングル「The Big One」が公開されました。Ambar Navarroが監督を務めた素晴らしいミュージックビデオとともに解禁されたこの楽曲は、美しくもどこか切ない、実存的な白昼夢へと聴く者を誘うサイケ・ポップ・アンセム。Dent Mayらしい極上のメロディセンスと色鮮やかなアレンジが全編に弾ける、アルバムの看板にふさわしい仕上がりとなっています。

印象的なタイトルについてDent Mayは、「世界を破壊するかもしれないと長年待ち構えられている大災害(大地震など)を指しているけれど、同時に自分をコンフォートゾーンから揺り動かすような、人生を大きく変えるあらゆる瞬間についての曲でもある」と説明します。冒頭の「壊れた心を持って生まれ、人生が始まるのを一日中座って待っている」という胸を突く歌詞の一方で、彼の歌声は破滅の気配すらどこか愛おしげに包み込み、皮肉にも高揚感に満ちた美しさを生み出しています。「最大の『ビッグ・ワン』は言うまでもなく死だけど、人生はかりそめのものだと直面せざるを得ない小さな瞬間で溢れている。遅かれ早かれすべてが崩壊すると分かっている中で、君は大丈夫と言えるかい?」という、現代を生きる人々への深い問いかけが内包された楽曲です。


Artificial Go – “Triple Ones”

シンシナティを拠点に活動するポストパンク/インディーポップ・バンド、Artificial GoがCarpark Recordsと契約を結び、移籍第一弾シングル「Triple Ones」をリリースしました。前作『Musical Chairs』に続く本作は、Velvet Undergroundがビーチパーティーで演奏しているような、スクラップ感とキャッチーさが同居したロック・ナンバーです。来月発売予定の7インチ盤には、メンバーが楽器を入れ替えて制作したミステリアスな楽曲「Jane Ate The Apple Seed」がB面に収録され、バンドの自由で急速な進化を象徴する作品となっています。

リードボーカルのアンジー・ウィルコットが手掛けた歌詞は、一見陽気なサウンドとは裏腹に、強い怒りや自己主張をテーマにしています。タイトル曲「Triple Ones」は、かつての雇用主が給与を過少に支払った際、不足分を「111(エンジェルナンバー)」と称してスピリチュアルにごまかそうとした実体験に基づいています。ウィルコットは「不当な扱いに立ち向かう経験」を歌ったこの曲をバンド史上最も怒りに満ちた曲と位置づけていますが、その怒りを音楽を通じて「喜びとダンス」へと昇華させる、彼女たちのポジティブなエネルギーが凝縮された一作です。


Ducks Ltd. – “Easy Come, Easy Go” (feat. Martin Courtney)

このテキストは、The Go-Betweensへの深い敬意と、Real EstateのMartin Courtneyとの共同制作の舞台裏を明かしたものです。第一段落では、バンド解散直後にGrant McLennanが発表したソロ1作目から、彼らのお気に入りの一曲を紹介しています。比喩を用いながらも簡潔で直接的な言葉選びや、現代的なイメージを時代を超越した響きへと昇華させる彼の手腕を絶賛しており、「もしThe Go-Betweensのアルバムに収録されていたら、間違いなく代表的なクラシックになっていただろう」と評しています。

第二段落では、ニューヨーク州ビーコンにあるMartin Courtneyの「幽霊が出る」というスタジオで行われたレコーディングについて触れています。ツアーのオフラインを利用し、わずか一日で完成させたこのセッションは、長年近いジャンルで活動してきた者同士、プロセスや本能的な感覚において多くの共通点があったといいます。自分たちのスタイルを理解し合う相手だからこそ得られた、独創的な視点やアイデアが盛り込まれた刺激的なコラボレーションとなりました。


スパナウェイのピッチで出会った二人の少年が、12年の時を経て放つ衝撃のステートメント。Casiがデビュー作で提示する、ハードコアとヒップホップを粉砕し融合させた「境界なき」音楽の咆哮

アメリカのワシントン州スパナウェイ出身のデュオ、casiが、6月19日にCarpark Recordsからセルフタイトルのデビューアルバム
をリリースします。サッカーの練習を通じて子供の頃に出会ったEli Edwards(Enumclawのメンバーとしても活動)とXayvien Youngは、12年に及ぶ深い絆を背景に、エモからレフトフィールド・エレクトロニカ、アンダーグラウンド・ヒップホップ、パンクまでを縦横無尽に駆け抜けるスリリングなサウンドを展開しています。

先行シングル「JUMPER」は、ロサンゼルスでのICE(移民・関税執行局)抗議デモや警察による弾圧を目の当たりにした経験から生まれた楽曲です。AFXのような電子音とTURNSTILEを彷彿とさせるハードコアの激情が交錯するこの曲は、市街地を埋め尽くす武装警官や非人道的な光景に対する憤りが爆発したような、刺すようなノイズの奔流となっています。

彼らの音楽は、Death GripsからSOUL GLOまでを引き合いに出されるほどジャンルの境界を破壊しており、23歳の若者が直面する孤独や社会への疑念、そして切実な野心を鮮烈に描き出しています。幼なじみという比類なき信頼関係があるからこそ実現した、リスクを恐れない果敢な音の実験と生々しいメッセージ性が、このデビュー作には凝縮されています。


Skylar Spence – Almost Butterflies

Spence(Ryan DeRobertis)が、YouTubeおよびBandcampにて22分間に及ぶ最新ミックス「Almost Butterflies」を公開しました。かつてSaint Pepsi名義でヴェイパーウェイヴ・シーンを牽引した彼のルーツを感じさせつつも、本作はシュワシュワと弾けるようなグルーヴと、チルウェイヴにも通じる霞みがかったファンキーなダンス・チューンが詰まったコレクションに仕上がっています。

このミックスは、2013年の名盤『Hit Vibes』の発売10周年を記念し、Carpark Recordsから「レモネード・イエロー」盤として再発されることを祝して制作されました。レーベルが「古参のSaint Pepsiファンへ捧げる」と語る通り、彼の原点回帰を思わせる内容となっており、Spence自身も「これは始まりに過ぎない」と今後のさらなる活動を予感させるコメントを残しています。