ブラトルボロの知性が紡ぐ、風景と身体の対話——フォーレの翻訳からヴィンテージ・リズムマシンまでが溶け合う、Ruth Garbusの深遠なる音楽世界

ブラトルボロの知性が紡ぐ、風景と身体の対話——フォーレの翻訳からヴィンテージ・リズムマシンまでが溶け合う、Ruth Garbusの深遠なる音楽世界

バーモント州ブラトルボロのシンガーソングライター、Ruth Garbusが、Orindal Recordsから6月12日にニューアルバム『Profound』をリリースすることを発表し、先行シングル「I Think I’m Ready Now」を公開しました。2023年の『Alive People』に続く本作は、Elie McAfee-Hahn(キーボード)とNick Bisceglia(ギター)とのトリオ編成を軸に、King TuffことKyle Thomasのホームスタジオで録音。これまでの彼女の作品に見られたミニマルな憂鬱さは影を潜め、より幸福感と自己肯定感に満ちた、アーティストとしての確信が漲る一作となっています。

本作は40代の女性としてのアイデンティティや身体的な変化、そして精神的な再生を深く考察した肖像画のようなアルバムです。Gabriel Fauréの楽曲を翻訳した「Clair de Lune」や「Nocturne」が収録されるなど、クラシックやヴォーカルトレーニングの経験が反映されており、音楽的にも新たな深みに到達しています。特に「I Think I’m Ready Now」についてGarbusは、力みを手放しリラックスすることで初めて得られる「真のパワー」を表現したと語っており、彼女の音楽的な進化を象徴しています。

アルバムの後半では、鬱や不安症の治療による精神的な安定も相まって、これまでにないほど明るく多幸感のある楽曲が並びます。パートナーであるChris Weismanに捧げたラブソングや、遊び心溢れるポップ・トラック「Tall Face」など、ヴィンテージのリズムマシンや加工されたギターが「穏やかで魔法のよう、それでいてアヴァンギャルド」な響きを構築しています。Sam GendelらとのEarth Flowerでの活動を経て、さらなる音楽的探求を続ける彼女が、今の自分を愛し、次なる可能性へと歩み出す姿が刻まれた意欲作です。