Glenn Jackson – ‘Morning Swim’ (Ceremony)
カルフォルニア、オークランドのプロデューサー Glenn Jackson の新作EP が Ceremony Recordings からリリース。メロディックでロマンチックでディスコチックな4/4ハウス。
Nightlands – ‘Oak Island’ (Secretly Canadian)
このレビューはもう少し前にやるつもりでずっと宿題状態だったので、それまでに何度も聴いていたから、自分のなかでだんだん良くなってきてる。それは、このアルバムがいい内容なのかもしれないし、曲を憶えて慣れてきたのかもしれない。フィラデルフィアの銀箔兄さん、Nightlands の Oak Island は前作 Forget The Mantra から数えて3年ぶりになるセカンド。ひとりでやるひとの制作意欲って結構強いし、コンスタントに出す傾向にあるので、ソロ活動家としては珍しいブランクなんじゃないですかね。人それぞれではあるけど、期間を設けるのは悪くないと思う。定期的なリリースでしかもソロ系の場合、時流を意識しすぎることもあるんじゃないですかね。なのでこのシルバー兄さんは、自流をしっかりと捕らえています。ただ、そこから先の音楽性は特別新しくもないし、凄く良く出来たもんでもないんですが、すごくフレンドリーな音楽で嫌いになれない。そう、よく周りにもいる “いいひと” 風な感じなんです。だけど、男としちゃあ、”いいひと” なんて言われることぐらい屈辱的なことはない。ニコニコして、人の話しをよく聞いてあげて、頷いていりゃ、いいひとになるっていうもの。嫌われてもいいから、少々めんどくせー人間のほうがおもしろいよ。
6.0/10
Hair Police – “Mercurial Rites”
2001年から活動する、Mike Connelly (Failing Lights, Wolf Eyes), Robert Beatty (Three Legged Race, Burning Star Core) そして Trevor Tremaine によるノイズ・アヴァン・トリオ Hair Police の新作が、Type から 2/11 にリリースになります。まあとにかく痛い、怖い、音でございます。
Guards – ‘In Guards We Trust’ (Black Bell)
アー写からして女の子がメインと思わせといて、実際は長髪の兄さんがギター・ヴォーカルというブルックリンのインディ・バンドで、じゃあ、この女の子は何をしているのかなと、まさかドラムか?と、淡い期待を抱きながらライブの写真などを漁ってみると、なんかまあるい機材を触って、バック・ヴォーカル的な立ち位置でした。そしてドラムはたぶんサポートのオッサン。アルバムを聴くまで Guards は、ちょっとクールなガレージ・ロック系バンドで、トリオ編成で見た目もちょいとオシャレなラインアップだなあと、期待していたけど、アルバムでは長髪の兄さんが全力で頑張って、ドラムのオッサンもかなりアグレッシヴだし、おねえちゃんは大して目立たないという、こっちの思惑とは全然違った。間違えて買っているんじゃとすら思えるほどだったので、ブログにもアップした曲を再確認してみると、他の曲聴いた後ではなんか、そうか、そんな感じだったか、もうちょっと良く聞こえた気がしたんだけどなぁ、と。この音でももいいから、もう少し暗かったり引きずった感じがあればかっこいいと思うけど、がっつりロックでメジャー・コード進行だと、Ex Cops パターンで、自分にはやっぱちょっと行き過ぎでした。ブルックリンと言っても、そりゃいろいろいますよね。
3.0/10
Companion – ‘Companion’ (Self Release)
ラーメンといえば味噌と決めて生きてきてたが、世の中がそうはさせてくれない。ふらり入った店に味噌があるとは限らない。そうやって違う味を仕方なしに食べていくと、だんだんそれも悪くないなあと思ってくる。醤油と魚介系が大嫌いだったけど、最近の主流だし、少し美味しいかもと思えるようになってきた。でも、まだつけ麺派には絶対なれないけど。Companion こと Pepi Ginsberg チャンは、Red や East Is East っていうバンドに居たそうで、調べたけど全くしらないバンドです。少し前ならこのペピチャンの音楽も好きじゃなかったと思うんですよね。だけど、ここ最近の音楽事情を追っているうちに、やっぱり慣れてきてしまってたようで、先行シングルを聴いていた頃は悪くはない感じだった。でもアルバムを聴いたらシングルの印象よりはバンドっぽい演奏が目立つなぁと、よくみてみたら他にもメンバーはいて5人組であることに気付く。自分がいいなぁと思っていた部分は、ちょっと安っぽいけどコマーシャル感のあるほっこりしたポップ・ソングの部分だったので、意外と真面目にバンドなんで、あれれれって感じです。得意な味でなくても、いろんなものが混じった深みのあるものであれば少しずつ気に入っていくのかもしれないけど、わりとおおざっぱな味付けだったんで、リピーターにはなれそうにはない。あとどうでもいいが、セルフ・タイトルにセルフ・リリースじゃ、色々見つけづらいよ。
4.5/10
Grouper – ‘The Man Who Died in His Boat’ (Kranky)
Type 以降は、レーベルがよく分かんなかったんで、Kranky に収まってもらったのは分り易くて好都合です。そしてその Type から 2008年にリリースされた Grouper の Dragging A Dead Deer Up A Hill (今回同時に再発)は、それ以降の Grouper よりも、最も Grouper していたというか、そこから彼女はどんよりと深い方向に向かっていった。と、言ってもこの当時でもそれなりにドローンを基調としたスタイルであったので、一般的なフォーク・ソングに比べたらかなり屈折した音楽ですが。でも、言うなれば最もポップであったと言われる作品と同時期に録音されていたらしい未発表音源を集めたものがこの The Man Who Died in His Boat だそう。よくある未発表音源がリリースされる場合は、大体がお金以外の他ならないと思うのですが、こちらの作品集はそういうものでもなさそう。彼女自身がこれらの曲をリリースしなかったのは、Grouper としての音楽ではないと自己診断したからなのか、ただ曲が気に入らなかっただけなのか、それともすっかり忘れていただけなのか。初期段階でこのようなフォーク・ソングを密かに作っていた彼女がその後、実験性を高めていったのはなんでだったんだろう。そして、このような音楽をやることはもうないのだろうか。それは今年中には出るらしい本当の新作アルバムで判るでしょう。
8.0/10
Ekin Fil – “Anything Anywhere” +
イスタンブール出身の女性アーティスト Ekin Üzeltüzenci によるソロ・プロジェクト Ekin Fil の新曲が幾つかアップされています。2011年に Root Strata からカセット Language をリリースしていたので知ってる方もおられるでしょう。こちらの曲達は、間もなくリリースされるアルバムからの音源だそうで、 Grouper や Jessica Bailiff が好みの方にも受入れられそうなドローン・フォーク・ソング。セルフ・タイトルのアルバムは、リリース時期は未確認ですが、Student Of Decay からリリースされます。
Short Stories – “On The Way”
最近シングルが出たばっかりのダブステップ・デュオ Short Stories のビデオ “On The Way” もアップされました。ジャケットの写真がビデオになったものです。っていうか、ビデオの内容がジャケットだっただけか。
Doldrums – “She Is The Wave (Black Dice RMX)”
今月末にリリースになる Doldrums のデビュー・アルバム Lesser Evil に収録される曲で、シングル・カットされていた “She Is The Wave” を、Black Dice がリミックスしたヴァージョンがアップされました。フリー・ダウンロードです。
Tunabunny – “Hollywood Unincorporated”
アセンズの4ピース、ガレージ、ローファイ、ギターポップ・バンド Tunabunny が、昨年 Happy Happy Birthday To Me からリリースしていたアルバム Genius Fatigue に収録されていた “Hollywood Unincorporated” のビデオがリリースされました。