My Raining Starsが2026年7月10日にShelflife(アメリカ)とToo Good To Be True(フランス)から共同リリースするニューアルバム『Toy Club』は、35年間に及ぶ友情と歴史が結実した極めてパーソナルな作品です。1990年に最初のバンドNothing To Be Doneで活動を共にしたE-Grandとの劇的な再会によって誕生した今作は、まさにバンドの歩みが円を描いて一つに繋がるような「原点回帰」を体現しています。アルバムはThierry Haliniakによる9曲のデモをベースに、Casper Iskovの繊細なベースとドラム、そしてE-Grandの抑制の効いたギターとキーボードが重なることで、楽曲本来の魅力を損なうことなく雄大な世界観へと昇華されています。さらに、E-Grand自らがミックスを担当し、RideのMark Gardenerがマスタリング(OX4Sound)を手がけたことで、深い没入感のあるサウンドが完成しました。
アルバムからの先行ファーストシングルとなる「Fine」は、Thierry Haliniakが1992年にNothing To Be Doneのために書き下ろした楽曲を現代に蘇らせた、究極のノスタルジーが宿るナンバーです。原曲の構造やボーカルメロディを忠実に守りつつも、今作のために新たなブリッジの追加や歌詞の変更が行われました。当初の想定とは異なるCasper Iskovによる新鮮なリズムアプローチや、E-Grandによる革新的なアレンジが功を奏し、両レーベルから満場一致で最初のシングルに選出されています。歌詞では、若き日の自由や楽しさを懐かしみ、変わりゆく世界の中で孤独や後悔を抱えながらも過去に思いを馳せる切ない心情が描かれています。
このシングルとアルバムは、ただの新作という枠を超え、流れる時間や共有された歴史、言葉にせずとも伝わるメンバー間の深い相互理解の象徴となっています。Maud Anywaysが制作した「Fine」のミュージックビデオには、1992年のNothing To Be Doneのライブ当時の貴重なアーカイブ映像が使用されており、視覚的にもその絆の深さを証明しています。彼らにとってこれが最後のコラボレーションになるかもしれないという予感を孕みつつも、すべてが巡り巡って元に戻り、完璧な円が完結したことを告げる、心温まる最終章にふさわしい傑作です。
